電気は私たちの生活に欠かせないインフラです。
しかし、突然ブレーカーが落ちて家が真っ暗になると、どうすればよいのか、故障や漏電ではないかと不安になる方も多いでしょう。
結論として、多くの場合は簡単な手順で復旧できますが、頻繁に落ちるのは電気の使い方や料金プランが合っていないサインかもしれません。
本記事では、ブレーカーが落ちた時の正しい戻し方から3つの主な原因、そして根本的な再発防止策までを解説します。
安全な対処法と、自身の状況に合った解決策がわかるため、ブレーカーが落ちて困っている方、今後の対策を知りたい方はぜひ参考にしてください。
【まず確認】ブレーカーが落ちた時の正しい戻し方と復旧手順

突然ブレーカーが落ちて室内が真っ暗になると、誰でも慌ててしまうものです。
しかし、正しい手順を知っていれば、安全かつ迅速に電気を復旧させられます。
まずは、落ち着いて対処するための基本的な知識を身につけましょう。
この章のポイント
- ブレーカーの種類と役割の基本
- 初心者でも安心な復旧手順
- ブレーカーを戻す際の注意点
ここからは、各項目について詳しく解説します。
ブレーカーの種類と役割の基本
ブレーカーの復旧作業をはじめる前に、家庭の分電盤にある3種類のブレーカーの役割を理解しておくことが大切です。
どのブレーカーが落ちているかによって、原因をある程度推測できます。
3種類のブレーカー
- アンペアブレーカー
- 漏電ブレーカー
- 安全ブレーカー
アンペアブレーカーは、家全体で契約している電力量を超えた場合に作動します。
漏電ブレーカーは、どこかで漏電を検知した際に電気を遮断し、感電や火災から守るためのものです。
安全ブレーカーは、各部屋やコンセントの回路ごとに設置されており、電気の使いすぎやショートが起きた箇所のみを遮断する役割があります。
【図解】初心者でも安心な復旧手順
ブレーカーが落ちた際の復旧は、正しい手順に沿っておこなえば決して難しくありません。
慌てず、一つ一つのステップを確実に実行することが重要です。
まず、原因となった可能性のある家電製品のプラグをコンセントから抜くか、電源をオフにします。
次に、アンペアブレーカーや安全ブレーカーが落ちている場合は、スイッチを「入」の位置に戻しましょう。
電気が復旧したら、問題がないか確認しながら家電製品の電源を一つずつ入れていきます。
もし漏電ブレーカーが落ちていた場合は、一度すべての安全ブレーカーを切り、漏電ブレーカーを入れてから、安全ブレーカーを一つずつ入れて原因の回路を特定してください。
ブレーカーを戻す際の注意点
ブレーカーを操作する際は、安全を最優先に考える必要があります。
誤った操作は感電や火災といった重大な事故につながる可能性があるため、次の点に十分注意してください。
操作時の注意点
- 濡れた手で絶対に触らない
- 周囲で焦げ臭い匂いや異音がないか確認
- ブレーカーが破損している場合は操作しない
とくに、水回りの近くで作業する場合や、大雨などで分電盤が濡れている可能性がある場合は注意が必要です。
また、ブレーカーの周辺から焦げたような匂いがしたり、異音が聞こえたりした場合は、内部でショートしているおそれがあります。
そのような状況では無理に自身で対処しようとせず、速やかに専門の業者へ連絡することが大切です。
【原因を特定】ブレーカーが落ちる主な3つの理由

ブレーカーが落ちた原因を正しく理解することは、再発を防止するために不可欠です。
どのブレーカーが落ちたかによって、原因の切り分けがしやすくなります。
落ちたブレーカーと原因の対応表
| 落ちたブレーカーの種類 | 考えられる主な原因 |
|---|---|
| アンペアブレーカー | 電気の使いすぎ(契約アンペア超過) |
| 漏電ブレーカー | 漏電 |
| 安全ブレーカー | 回路ごとの電気の使いすぎ、またはショート |
主な原因は、大きく分けて3つ考えられます。
自身の状況がどれに当てはまるかを確認し、適切な対策につなげましょう。
ブレーカーが落ちる3大原因
- 原因1:電気の使いすぎ(契約アンペア超過)
- 原因2:漏電による感電や火災のリスク
- 原因3:家電製品やコードの故障(ショート)
それぞれの原因について、具体的に解説します。
原因1:電気の使いすぎ(契約アンペア超過)
ブレーカーが落ちる最も一般的な原因は、電気の使いすぎ、つまり契約アンペアの超過です。
これは、家庭で電力会社と契約している電力量の上限を、一度に使用する電気の量が上回った場合に発生します。
とくに、消費電力の大きい家電製品を同時に使用すると、契約アンペアを超えやすくなります。
主な家電製品のアンペア目安
| 家電製品 | 消費電力の目安 | アンペアの目安 |
|---|---|---|
| 電子レンジ | 1,400W | 14A |
| ドライヤー | 1,200W | 12A |
| IHクッキングヒーター | 3,000W | 30A |
| エアコン(暖房時) | 660W | 6.6A |
| ドラム式洗濯乾燥機 | 1,150W | 11.5A |
たとえば30Aで契約している家庭で、電子レンジとドライヤーを同時に使うと合計で26Aとなり、そこに他の家電が加わるとブレーカーが落ちる可能性が高まります。
原因2:漏電による感電や火災のリスク
漏電ブレーカーが落ちた場合は、住宅内のどこかで漏電が発生している可能性があります。
漏電とは、電気が本来の通り道から漏れ出す現象のことで、感電や火災といった深刻な事故を引き起こす非常に危険な状態です。
漏電の主な原因としては、電気コードの損傷や家電製品の劣化、水濡れなどが挙げられます。
とくに、キッチンや洗面所などの水回りや、屋外に設置されたコンセントなどは漏電が発生しやすい場所といえるでしょう。
漏電ブレーカーは、こうした危険をいち早く検知して電気を遮断する、非常に重要な安全装置です。
原因3:家電製品やコードの故障(ショート)
特定の部屋の安全ブレーカーのみが落ちる場合は、その回路でショートが発生していることが考えられます。
ショートとは、電気回路のプラスとマイナスが直接触れてしまうなど、異常な形で電気が流れる現象のことです。
主な原因として、電気コードの内部が断線したり、コンセントにほこりや水分が溜まったりすることが挙げられます。
また、一つのコンセントから多くの電源を取るタコ足配線も、コードの過熱や損傷を引き起こし、ショートの原因となるため注意が必要です。
安全ブレーカーは、こうした回路の異常を検知して電気を遮断し、配線や家電製品を保護する役割を担っています。
ブレーカーが戻らない・すぐ落ちる場合の確認ポイントと対処法

手順通りに操作してもブレーカーが復旧しない、またはすぐにまた落ちてしまう場合は、家庭内のみでは解決できない問題が発生している可能性があります。
そのようなときは、無理に対処しようとせず、適切な場所に連絡することが重要です。
ここでは、状況に応じた確認のポイントと連絡先について解説します。
確認・対処法のポイント
- 復旧しない場合はまず電力会社の情報を確認
- 漏電が疑われる場合は専門業者への連絡が必須
- 賃貸物件の連絡先
それぞれのケースについて、詳しく解説します。
復旧しない場合はまず電力会社の情報を確認
ブレーカーを正しく操作しても電気がつかない場合、自身の家のみでなく、周辺の地域一帯で停電が発生している可能性が考えられます。
台風や地震などの自然災害や、電線トラブルなどが原因で停電が起きているケースです。
このような場合は、まず契約している電力会社の公式サイトなどで、停電情報を確認してみましょう。
多くの電力会社では、エリアごとの停電情報をリアルタイムで公開しています。
もし住まいの地域で停電情報が出ていれば、復旧を待つしかありません。
漏電が疑われる場合は専門業者への連絡が必須
漏電ブレーカーがどうしても戻らない、ブレーカーの周辺が焦げ臭いなど、明らかに異常が感じられる場合は、漏電している可能性が非常に高いです。
前述のとおり、漏電は火災や感電事故に直結する非常に危険な状態のため、絶対に自身で解決しようとしてはいけません。
このような場合は、速やかに電気工事の専門業者や、契約している電力会社の窓口に連絡して、点検を依頼してください。
どこに連絡すればよいかわからないときは、地域の電気保安協会に相談するのも一つの方法です。
安全が確認できるまで、分電盤には触らないようにしましょう。
出典:電気保安協会全国連絡会
賃貸物件(マンション・アパート)の連絡先
マンションやアパートといった賃貸物件に住んでいる場合、ブレーカーのトラブルが発生したら、まずは建物の管理会社や大家さんに連絡するのが基本的な流れです。
とくに、自身の部屋のブレーカーに問題がないのに電気がつかない場合は、建物全体の共用設備に問題がある可能性が考えられます。
個人の判断で電気工事業者を呼んでしまうと、修理費用が自己負担になるケースもあります。
まずは契約書などを確認し、指定の連絡先に状況を説明して指示を仰ぐのがよいでしょう。
その際、どのブレーカーが落ちたか、どのような状況かを具体的に伝えると、その後の対応がスムーズに進みます。
【再発防止】もうブレーカーを落とさないための2つの対策

一度ブレーカーが落ちると、生活に大きな支障が出てしまいます。
そこで重要になるポイントが、今後同じことを繰り返さないための再発防止策です。
ここでは、今日からできる対策と、より効果的な対策の2つを紹介します。
対策1:日頃からできる電気の使い方を工夫する
ブレーカーが落ちる原因の多くは、電気の使いすぎです。
そのため、日頃から電気の使い方を少し工夫するのみで、ブレーカーが落ちるリスクを大幅に減らせます。
たとえば、「在宅勤務で仕事中に、電子レンジを使用したらブレーカーが落ちた」という経験がある方もいるでしょう。
これは、エアコン、パソコン、電子レンジといった消費電力の大きい家電を同時に使用したことが原因と考えられます。
このように、消費電力の大きい家電は同時に使うのを避ける、使わない家電はコンセントから抜いて待機電力を減らす、といった小さな心がけが有効です。
対策2:根本解決として契約アンペアを見直す
電気の使い方を工夫しても頻繁にブレーカーが落ちる場合は、現在の契約アンペアが自身のライフスタイルに合っていないのかもしれません。
家族が増えたり、在宅ワークがはじまったりして電気の使用量が増えた場合は、契約アンペア自体を見直すことが根本的な解決策となります。
契約アンペアは、毎月の電気の検針票や、電力会社の会員向けWebサイトで確認できます。
もし現在の契約アンペアが生活実態に見合っていないと感じたら、契約している電力会社に連絡して変更手続きをおこないましょう。
さらに、契約アンペアの見直しを機に、電気料金プランそのものを見直すことで、より快適でお得な電気の使い方ができる可能性があります。
頻繁なブレーカー落ちはサインかも?賢い電気の使い方で解決する市場電力
頻繁にブレーカーが落ちるということは、家庭での電気の使用量が多い、あるいは特定の時間に集中しているというサインです。
この「電気の使い方」に注目することで、ブレーカー落ちの問題を解決し、さらに電気代の節約につなげられる可能性があります。
そこで、おすすめしたいのが新しい発想の電力サービス「市場電力」です。
この章のポイント
- 電気の使い方の工夫が電気代の節約に直結
- 太陽光が発電する時間帯に電気を使う新しいスタイル
- 市場連動型プランの注意点とメリットを最大化するコツ
それぞれの特徴を詳しく解説します。
「市場電力」なら電気の使い方の工夫が電気代の節約に直結
ブレーカー落ち対策として有効な「電気を使う時間をずらす」という工夫が、市場電力ではそのまま電気代の節約につながります。
市場電力は、電気の取引がおこなわれる卸電力市場の価格に料金が連動する「市場連動型プラン」を提供しているサービスです。
市場価格が安い時間帯に電気を使うことで、電気代を大幅に抑えられる可能性があります。
つまり、ブレーカーが落ちないように電気の使い方を意識することが、結果的に家計の節約にもなるという、一石二鳥のメリットが生まれる仕組みです。
このサービスを運営する株式会社Qvouは、2025年時点で創業40年の歴史を持つ総合企業です。
累計販売本数1億本を突破した「のむシリカ」の販売元でもあり、電力事業においても信頼できる会社といえるでしょう。
【昼間がお得】太陽光が発電する時間帯に電気を使う新しいスタイル
市場連動型プランと聞くと、「電気需要が少ない夜間が安い」というイメージを持つ方もいるかもしれません。
しかし実際には、太陽光発電の量が増える「昼間の時間帯」に市場価格が安くなる傾向があります。
そのため、在宅ワーカーや日中に家事をおこなうことが多い家庭など、昼間に電気を多く使うライフスタイルの方にとっては、大きなメリットを享受できる可能性があります。
これまでブレーカー落ちの原因となっていた昼間の電気使用が、反対にお得になるという新しい電気の使い方が実現できます。
公式サイトでは、自身の電気の使い方にあわせた詳細な料金シミュレーションも可能なため、一度試してみるのもよいでしょう。
市場連動型プランの注意点とメリットを最大化するコツ
市場電力は大きな節約が期待できる一方で、注意点も存在します。
市場連動型プランは、電力の需要が高まる夏や冬の夕方など、市場価格が高騰する時間帯には電気代が高くなるリスクがあります。
そのため、シミュレーション通りの節約額になることが保証されているわけではありません。
このメリットを最大限に活かし、リスクを抑えるコツは、「ピークシフト」を意識することです。
ピークシフトとは、電気の需要が集中する時間帯を避けて電気を使用することを指します。
ブレーカー落ちを防ぐための工夫と同様に、市場価格が高い時間帯を避けて家電を使うことで、賢く電気代を節約することが可能になります。
ブレーカーに関するよくある質問

最後に、ブレーカーに関して多くの方が疑問に思う点について、Q&A形式で回答します。
よくある質問
- マンションやアパートでブレーカーが落ちた場合はどうすればいいですか?
- 冬にブレーカーが落ちやすいのはなぜですか?
- 漏電しているかどうかを確認する方法はありますか?
- ブレーカーが落ちたまま放置するとどうなりますか?
一つずつ解説します。
マンションやアパートでブレーカーが落ちた場合はどうすればいいですか?
まずは自身の部屋の分電盤を確認し、ブレーカーが落ちていないかチェックしてください。
もし室内のブレーカーに異常がないのに電気がつかない場合は、建物の共用部分に問題があるか、地域全体が停電している可能性があります。
このような場合は、個人で判断せず、まず建物の管理会社や大家さんに連絡して指示を仰ぐのが基本です。
冬にブレーカーが落ちやすいのはなぜですか?
冬にブレーカーが落ちやすくなる主な理由は、エアコン(暖房)や電気ストーブ、こたつといった、消費電力の大きい暖房器具を同時に使用する機会が増えるためです。
とくに、家族が活動をはじめる朝の時間帯などは、暖房器具に加えて電子レンジやドライヤーなどが同時に使われることで、電気の使用量が急増しやすくなります。
これにより、契約しているアンペアの上限を超えることが多くなります。
漏電しているかどうかを確認する方法はありますか?
漏電しているかどうかを確認するためには、まず分電盤の安全ブレーカーをすべて「切」にします。
次に、漏電ブレーカーを「入」にしてから、安全ブレーカーを一つずつ「入」にしていきましょう。
このとき、特定の安全ブレーカーを入れた瞬間に漏電ブレーカーが落ちた場合、その回路が漏電している可能性が高いと判断できます。
ただし、これはあくまで目安であり、正確な判断と対処は必ず専門の業者に依頼してください。
ブレーカーが落ちたまま放置するとどうなりますか?
電気の使いすぎでアンペアブレーカーが落ちたのみであれば、放置しても直接的な危険は少ないですが、電気が使えず不便な状態が続きます。
しかし、問題は漏電が原因でブレーカーが落ちた場合です。
漏電を放置すると、漏れ出た電気が原因で火災が発生する「漏電火災」につながる重大な危険があります。
漏電の疑いがある場合は絶対に放置せず、速やかに専門家による点検と修理を依頼することが重要です。
まとめ

本記事では、ブレーカーが落ちた時の安全な戻し方、主な3つの原因、そして再発防止策について解説しました。
ブレーカーが落ちる原因は電気の使いすぎや漏電などさまざまですが、正しい手順で安全に対処することが重要です。
頻繁に落ちる場合は、電気の使い方のみでなく、契約アンペアや料金プランがライフスタイルに合っているかを見直すよい機会といえるでしょう。
電力プランの見直しについては、電力の専門家である当サイトの情報を参考に、最適な判断をしてください。
電気の使い方を工夫して節約につなげたい方は、サービス名「市場電力」で検索してみることをおすすめします。
<参考>
市場電力




