ノンフライヤーは、ヘルシーな揚げ物を手軽に作れる便利な調理家電です。
しかし、その一方で電気代が高いのではないか、ガス調理や電子レンジと比べてどうなのか、といったコストに関する疑問を持つ方も少なくありません。
結論として、ノンフライヤーの電気代は噂ほど高くなく、油代まで含めたトータルコストで考えるとむしろ経済的な選択肢といえます。
本記事では、具体的な電気代の計算から、ほかの調理法との独自検証比較、そして効果的な節約術までを詳しく解説します。
購入を検討している方や、すでに使用中で電気代が気になる方は、ぜひ参考にしてください。
【結論】ノンフライヤーの電気代は噂ほど高くない!油代まで考えると経済的

ノンフライヤーは消費電力が大きいイメージがあるため、「電気代が高くなるのでは」と心配する声も聞かれます。
しかし、結論からお伝えすると、ノンフライヤーの電気代は決して高くなく、使い方やほかのコストまで考慮すると、むしろ経済的な調理家電といえるでしょう。
この章では、ノンフライヤーの電気代に関する具体的な情報を解説します。
- 1回あたりの電気代の目安
- 1か月の電気代シミュレーション
- 電気代が高いと感じる主な理由
それぞれの項目について、詳しく解説します。
1回あたりの電気代は約9.3円からが目安
ノンフライヤーを1回使用した際の電気代は、約9.3円(税込)が目安です。
これは、一般的なノンフライヤーの消費電力を1200W、調理時間を15分と想定して計算した金額となります。
電気料金の単価は、公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が定める最新の目安単価である31円/kWh(税込)を基準にしています。
この約9.3円という金額が、普段の調理方法と比較して高いのか、あるいは安いのかを判断する一つの基準となるでしょう。
もちろん、機種の消費電力や使用時間によって実際の料金は変動します。
1か月の電気代は毎日15分使っても約279円
ノンフライヤーを毎日1回(15分)使用した場合、1か月(30日)の電気代は約279円(税込)です。
総務省統計局の家計調査(2024年)によると、2人以上世帯の平均的な電気代は月額約12,008円です。
この金額と比較すると、毎日ノンフライヤーを使用しても、家計に与える影響は限定的といえるでしょう。
週に3回程度の使用であれば、1か月の電気代は約112円(税込)となり、さらに負担は少なくなります。
電気代が高いという誤解は消費電力の大きさが原因
ノンフライヤーの電気代が高いというイメージは、主にその消費電力(W数)の大きさから来ていると考えられます。
多くの製品が1000Wを超える高い消費電力に設定されているため、電気の使用量が多い印象を持たれがちです。
しかし、電気代は、消費電力(kW)× 使用時間(h)× 電気料金単価(円/kWh)の式で決まります。
ノンフライヤーは、高出力のヒーターとファンで庫内の熱を一気に循環させ、短時間で効率的に調理できることが特長です。
そのため、消費電力は大きくても使用時間が短く済み、結果的に電気代は抑えられる傾向にあります。
【独自検証】ノンフライヤーは他の調理法よりトータルコストがお得

ノンフライヤーが経済的かどうかを判断するには、電気代のみでなく、ほかの調理法にかかる費用も含めた「トータルコスト」で比較することが重要です。
次のシミュレーション結果を基に、どの調理法が最もお得になるのかを具体的に解説します。
▼調理法別 トータルコスト比較表(鶏の唐揚げ400gの場合)
調理法 | 熱源コスト | 油代 | トータルコスト | 調理時間 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
ノンフライヤー | 約9.3円(電気代) | 約20円 | 約29.3円 | 約15分 | 後片付けが楽 |
ガスコンロで揚げる | 約5円(ガス代) | 約150円 | 約155円 | 約20分 | 油の処理が手間 |
電子レンジ (オーブン機能) | 約12.4円(電気代) | 約20円 | 約32.4円 | 約25分 | 予熱に時間がかかる |
上記の表からわかるように、ノンフライヤーはほかの調理法と比較してトータルコストを最も安く抑えられます。
油で揚げるよりガス代と油代を大幅に節約
唐揚げなどを作る際、ノンフライヤーは油で揚げる調理法と比較して、トータルコストを大幅に抑えられることがわかります。
ガスコンロで揚げ物をする場合、ガス代自体は安いものの、毎回多くの食用油を使用するため、油代がコストを大きく押し上げます。
一方、ノンフライヤーは少量の油で調理できるため、この油代をほぼ丸ごと節約できる点が大きなメリットです。
調理後の油の処理にかかる手間や時間を考慮すると、その差はさらに大きいといえるでしょう。
電子レンジのオーブン機能より電気代が安く時間も短縮
グリルチキンなどの調理では、電子レンジのオーブン機能を使うよりも、ノンフライヤーの方が電気代と時間の両方を節約できる傾向にあります。
ノンフライヤーは庫内がコンパクトなため、加熱開始から設定温度に達するまでの予熱時間が非常に短いことが特長です。
一方、電子レンジのオーブン機能は庫内が広く、予熱に時間がかかり、その分多くの電力を消費します。
シミュレーション結果でも、ノンフライヤーの方が調理時間全体が短く、トータルコストも安くなりました。
忙しい毎日の中で、時短と節約を両立したい方にとって、この差は大きな魅力となるでしょう。
ノンフライヤーの電気代をさらに節約する賢い使い方

ノンフライヤーの電気代はもともと高額ではありませんが、少しの工夫でさらに節約することが可能です。
ここでは、すぐに実践できる基本的な使い方から、家庭でできる電気代の計算方法、そして電力会社の視点を加えた専門的な方法まで、賢い使い方を紹介します。
食材の工夫や手入れで無駄な電力消費を防ぐ
日々の使い方を少し見直すのみで、無駄な電力消費を抑えられます。
とくに効果的なのは、食材の入れ方や調理前の準備、そして日頃の手入れです。
まず、熱風が効率よく循環するよう、バスケットに食材を詰め込みすぎないことが大切です。
また、冷凍された食材は、一度解凍してから調理する方が加熱ムラがなくなり、結果的に時短と節電につながります。
使用後のバスケットやヒーター部分を清潔に保つことも、熱効率を維持し、余計な電力を使わないために重要といえるでしょう。
家庭でも簡単!ノンフライヤーの電気代計算方法
ノンフライヤーの電気代を具体的に知りたい場合は、自身で簡単に計算できます。
必要な情報は「製品の消費電力(W数)」と「1回あたりの使用時間」の2つです。
計算ステップ
- 消費電力をkWに変換:製品のW数を1000で割る(例: 1200W → 1.2kW)
- 使用時間をhに変換:使用分数を60で割る(例: 15分 → 0.25h)
- 電気代を計算:1の結果 × 2の結果 × 31円(電力料金目安単価)
この計算式を使用すれば、家庭のノンフライヤーのより正確な電気代を把握できます。
【電力会社の視点】電気を使う時間帯を選べばもっとお得に
ノンフライヤーの電気代をさらに一歩進んで節約するなら、電気を使う「時間帯」を意識する方法がおすすめです。
一部の電力会社が提供する「市場連動型プラン」は、電力の市場価格にあわせて30分ごとに電気料金単価が変動する点が特徴です。
電力の市場価格は、太陽光発電が活発になる昼間の時間帯に安くなる傾向があります。
そのため、割安な時間帯を狙ってノンフライヤーを使用すれば、同じ時間使用しても電気代を安く抑えることが可能です。
タイマー機能付きの機種を活用すれば、在宅中に自動で調理を完了させることもできるでしょう。
【根本解決】電気代の節約は電力会社のプラン見直しが最も効果的です

これまでノンフライヤー本体の使い方に関する節約術を紹介してきましたが、実は、家庭の電気代を節約するうえで最も効果的な方法は別にあります。
それは、契約している電力会社の料金プランそのものを見直すことです。
ノンフライヤー単体ではなく家庭の電気代全体を削減
ノンフライヤーの使い方を工夫することの節約効果には、どうしても限界があります。
しかし、電力会社の料金プランを見直せば、ノンフライヤーのみでなく、家で使うすべての電気代を根本から削減できる可能性があります。
2016年の電力自由化以降、私たちはライフスタイルにあわせて電力会社や料金プランを自由に選べるようになりました。
現在の契約内容が家庭の電気の使い方に適していない場合、よりお得なプランに切り替えるのみで、毎月の電気代が大きく下がることも少なくありません。
ノンフライヤーの導入を機に、家庭の電気料金プラン全体を見直してみることをおすすめします。
ノンフライヤーをお得に使うためのおすすめ新電力サービス

電力会社のプランを見直したいものの、「数多くの会社の中からどこを選べばよいかわからない」と悩んでいる方もいるでしょう。
そこで、ノンフライヤーを賢くお得に使いたい方に向けて、2つの新電力サービスを紹介します。
【市場電力】昼間に調理することが多い方におすすめ
在宅勤務や休日など、昼間の電気使用が多い方には「市場電力」がおすすめです。
市場電力は「市場連動型プラン」を提供しており、電力の市場価格が安い時間帯には電気代がお得になります。
太陽光発電量が多い昼間は価格が安くなる傾向があるため、「ノンフライヤーでのランチ調理」や「おやつの準備」など、日中の調理で電気代のメリットを最大限に享受できるでしょう。
自身のライフスタイルにあわせて電気の使い方を工夫すれば、節約効果をさらに高めることが可能です。
【お得電力】とにかく簡単に電気代を安くしたい方におすすめ
「時間帯を気にするのは面倒」「とにかくシンプルに電気代を安くしたい」という方には、「お得電力」がおすすめです。
お得電力は、現在契約している大手電力会社のプランから切り替えるのみで、毎月の電気代が安くなるわかりやすい料金体系が魅力です。
複雑なプラン内容を比較検討する必要はなく、今のライフスタイルを変えずに電気代を削減できます。
「ノンフライヤーを購入して少し電気代が増えたとしても、それ以上に家庭全体の電気代が安くなるので安心」という、手軽で確実な節約を実現したい方に適しています。
ノンフライヤーの電気代に関するQ&A

ここでは、ノンフライヤーの電気代に関して、多くの方が抱く疑問に回答します。
メーカーによる違いや、オール電化住宅での使い方など、気になる点を解消しておきましょう。
人気メーカーや機種によって電気代は変わりますか?
ノンフライヤーの電気代は、メーカーや機種によって変わる可能性があります。
電気代に影響する主な要素は、消費電力(W数)や一度に調理できる容量、そして熱効率を高める技術などです。
たとえば、主要メーカーの代表的な機種でも、次のようにスペックが異なります。
メーカー | 代表的な機種 | 消費電力 | 容量の目安 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
フィリップス | Smart Sensing | 1425W | 2〜3人分 | パワーがあり調理時間が短い傾向 |
レコルト | エアーオーブン | 1200W | 1〜2人分 | コンパクトで消費電力が低め |
消費電力が低いノンフライヤーでも、必ずしも電気代が安くなるとは限りません。
パワーが弱い分、調理時間が長くなり、結果的に電気代はあまり変わらないというケースもあります。
製品を選ぶ際は、スペックの数値のみでなく、一度に調理したい量や自身のライフスタイルに適したものを選ぶことが重要といえるでしょう。
オール電化住宅の場合、電気代はもっと安くなりますか?
オール電化プランを契約している家庭では、使い方次第で電気代をさらに安くできる可能性があります。
オール電化向けの料金プランは、夜間や早朝の時間帯の電気料金単価が安く設定されていることが一般的です。
そのため、タイマー機能などを活用して、お得な時間帯にノンフライヤーで調理をおこなえば、日中に使うよりも電気代を抑えることが可能です。
ただし、近年では燃料費の高騰などの影響で、必ずしも深夜電力がお得とはいえない場合もあります。
まずは現在の自身の契約プラン内容をあらためて確認してみることが大切です。
まとめ

本記事では、ノンフライヤーの電気代について、具体的な金額からほかの調理法とのトータルコスト比較、さらには効果的な節約術までを網羅的に解説しました。
ノンフライヤーの電気代は1回あたり約9.3円と決して高くなく、とくに油代を大幅に節約できるため、ガスでの揚げ物より経済的である可能性が高いことが重要なポイントです。
さらに電気代を節約するためには、使い方を工夫するのみでなく、電力会社のプランを見直すことが最も効果的です。
より詳細な情報は各サービスの公式サイトで確認するか、「市場電力」や「お得電力」で検索してみてください。
<参考>
お得電力