オール電化住宅にお住まいの方や導入を検討中の方には、「もし停電したら、生活のすべてが滞るのか」といった不安は切実な問題です。
とくに家族の安全を考えると、その心配は大きくなるでしょう。
しかし、結論からいうと、正しい知識と事前の備えがあれば、オール電化住宅の停電は過度に恐れる必要はありません。
本記事では、停電時に「できること、できないこと」の具体的な区別から、万が一の事態に冷静に対処するための事前準備、発生時の行動、復旧後の対応までを網羅的に解説します。
【結論】オール電化の停電は備えがあれば怖くない!災害に弱い説の真実

「オール電化の住宅は、停電したら何もかも使用できなくなるの?」と不安を持っている方もいるでしょう。
実は、オール電化が特別に災害に弱いわけではなく、むしろメリットとなる側面もあります。
本記事では、停電への不安を具体的な安心感に変えるための知識と、具体的な行動プランを詳しく解説します。
オール電化が必ずしも災害に弱いわけではない理由
「オール電化は災害に弱い」という話を耳にすることがありますが、これは必ずしも事実ではありません。
大規模な災害が発生した場合、電気、ガス、水道といったライフラインが停止するリスクは、どのような住宅でも等しく存在します。
むしろ、ライフラインの中では電気が最も復旧が早い傾向にあると考えられます。
オール電化住宅ならではのメリットとして、エコキュートの貯湯タンクの水を、非常時の生活用水として活用できる点が挙げられます。
災害発生直後の断水時でも、トイレを流したり、体を拭いたりするための水を確保できるのは大きな強みといえるでしょう。
新電力に切り替えても停電の頻度や復旧時間は変わらない
契約する電力会社を変更した場合でも、停電のリスクや復旧までの時間が変わることはありません。
なぜなら、どの電力会社と契約しても、私たちの家庭に電気を届けるための電線や電柱といった送配電網は、各エリアの送配電事業者が管理する同じものを利用するからです。
停電の多くは、送配電網のトラブルや、自宅のブレーカーの問題が原因です。
そのため、契約先を新電力に変更した場合、電気の品質が落ちたり、停電が増えたりする心配は無用です。安心して自身に合った電力会社を選択しましょう。
停電したらどうなる?オール電化住宅で使用できなくなる設備と使用できる設備

オール電化住宅で停電が発生すると、当然ながら電気を動力源とする多くの設備が使用できません。
しかし、すべての機能が停止するわけではなく、一部の設備は工夫次第で活用が可能です。
たとえば、調理に使うIHクッキングヒーターは使用できませんが、エコキュートのお湯は条件次第で使えます。
また、トイレや水道なども、機種や状況によって対応が異なります。
いざというときに慌てないためにも、どの設備がどうなるのかを事前に正しく理解しておくことが、冷静な初動対応の鍵となるでしょう。
使用できなくなる設備 | 使用できる(または工夫次第で使える)設備 |
---|---|
IHクッキングヒーター | 電エコキュート(※断水していなければタンク内の湯が使える) |
タンクレストイレ(電動式) | タンク式トイレ(※手動レバーで流せる場合あり) |
温水洗浄便座(電動機能) | 水道(※停電のみで断水していなければ使用可) |
給湯器の電気操作パネル(操作不可) | 太陽光発電(自立運転モードで一部使用可) |
一般の照明・家電全般 | 蓄電池(電力を蓄えていれば照明・スマートフォン充電などが可能) |
IHクッキングヒーターは使用できなくなり調理に工夫が必要
オール電化住宅で停電した場合、IHクッキングヒーターは完全に機能しません。
そのため、お湯を沸かしたり、温かい食事を用意したりができなくなります。とくに小さな子どもや高齢の家族がいる家庭は、深刻な問題となる可能性があります。
緊急事態に備えるため、カセットコンロと使用するガスボンベの準備は不可欠です。
カセットコンロが1つあれば、お湯を沸かしたり、簡単な調理をしたりできるため、ライフラインが遅れても安心できるでしょう。
また、普段からレトルト食品や缶詰、カップ麺といった、火を使わずに食べられる、あるいは少ない調理で済む食料を一定量備蓄しておくことも、非常に有効な対策となります。
エコキュートは断水していなければタンク内のお湯が使用できる
停電した場合、エコキュートの機能がすべて停止するわけではありません。断水さえしていなければ、貯湯タンクのお湯や水を生活用水として使用が可能です。
これはオール電化住宅の大きなメリットの1つです。
一般的な取水の手順として、まず本体脚部カバーを開け、漏電遮断器をオフにします。
給水元栓を閉じて、逃し弁レバーを手前に起こし、非常用取水栓(水抜き栓)にホースをつないで取水します。取水時は熱湯に注意し、飲用は避けてください。
ただし、これはあくまで一例であり、メーカーや機種によって手順は異なるため、必ず自宅の取扱説明書を確認してください。
注意点として、停電中はお湯を新たにお湯を沸かすことができないため、タンク内のお湯は貴重です。計画的な使用を心がけましょう。
トイレは「流せるタイプ」と「流せないタイプ」がある
停電時、トイレが使用できるかどうかは、設置されている便器のタイプによって異なります。
とくに最近主流のタンクレストイレや、便座の自動開閉機能がついた高機能トイレは、洗浄や排水に電気を使用しているため、停電するとこれらの電動機能は使用できません。
しかし、多くの機種には停電時でも手動で水を流せるよう、非常用のレバーやボタンが設置されているケースもあります。
自宅のトイレの取扱説明書を確認し、非常時の操作方法を把握しておくと安心です。
一方で、断水している場合は、当然ながら水を流すことはできません。
最悪のケースに備え、市販の非常用トイレの備蓄や、お風呂の浴槽に水を貯めておき、バケツで流し込む方法を確認しておくなどが重要です。
太陽光発電や蓄電池があれば停電時も電気が使用できる
自宅に太陽光発電システムや蓄電池を設置している場合、停電時でも電気が使用可能なため、非常に心強い備えとなります。
太陽光発電システムがあれば、「自立運転モード」に切り替えることで、発電した電気を自立運転用のコンセントから使用できます。
自立運転用コンセントからの電力は、天候や蓄電池の残量により変動するため、医療機器や暖房機器への使用は控えてください。
停電時に備え、あらかじめ「自立運転モード」の切り替え方法を確認しておきましょう。
さらに蓄電池があれば、日中に発電して貯めておいた電気を、夜間や天候が悪い時でも利用できます。
もちろん導入にはコストがかかりますが、停電時の安心感を格段に高める有効な選択肢です。
自身のライフスタイルや予算にあわせて検討してみる価値はあるでしょう。
備えておくと安心な対応策(補足)
対応項目 | 内容・備考 |
---|---|
調理手段の確保 | ・カセットコンロ+ボンベ ・火を使わない非常食の備蓄 |
水の確保 | ・浴槽に水を貯めておく ・飲料水をペットボトルでストック |
トイレ対策 | 水非常用トイレ(簡易トイレ)やバケツ排水の準備 |
給湯器の電気操作パネル(操作不可) | ・モバイルバッテリー ・ポータブル電源 ・ソーラー充電器 |
【実践】万が一の停電に備える具体的な対策と発生時の対処法

オール電化住宅の停電は、日頃の備えと発生時の正しい知識があれば、冷静に対処できます。
重要なのは「事前準備」「発生時の行動」「復旧後の対応」の3つのフェーズで、それぞれ何をすべきかを具体的に理解することです。
今日からはじめられる具体的な準備リストから、停電時の行動手順、そして復旧後の注意すべき点まで、実践的な対処法を分かりやすく解説します。
【事前準備】最低限これだけは用意したい防災グッズ
準備しておきたいアイテムリスト
分類 | 内容 |
---|---|
情報収集用 | ・スマートフォン用モバイルバッテリー ・手回し充電式ラジオ |
明かり | ・懐中電灯(LEDタイプがおすすめ) ・ヘッドライト ・ランタン |
食料・水 | カセットコンロ+ガスボンベ ・非常食(最低3日分) ・飲料水 |
衛生用品 | ・簡易トイレ ・トイレットペーパー ・ウェットティッシュ ・洗面用具 |
その他 | ・乾電池 ・常備薬 ・軍手 ・ポリ袋 |
万が一の停電に備え、防災グッズを準備することは基本中の基本です。
オール電化住宅では、調理ができなくなるためカセットコンロとガスボンベの優先順位は非常に高いといえます。
また、情報収集の生命線となるスマートフォンの充電を確保するためにモバイルバッテリーは必須アイテムです。
懐中電灯やラジオも、スマートフォンとは別に用意しておくと、バッテリーを温存できます。
これらのグッズをリュックサックなどにまとめておき、すぐに持ち出せる場所に保管しておきましょう。
【発生時】停電したらまずおこなうべき3つのステップ
STEP1:身の安全を確保し、停電範囲を確認する
STEP2:自宅のみの停電であればブレーカーを確認する
STEP3:家電製品の電源プラグをコンセントから抜く
突然停電したときは、まずは慌てず周囲の状況を判断します。足元に危険な物がないかを確認し、夜間であれば懐中電灯などで明かりを確保しましょう。
次に、街灯や近所の家の周りをみて、停電が自宅のみなのか、近隣一帯も停電しているかを確認します。
周辺一帯が停電している場合は、落雷や災害などによる地域停電の可能性があります。
その際は、電力会社のWebサイトなどで停電情報を確認しましょう。停電直後は掲載されていない可能性もあるため、発生後数十分後に確認します。
自宅のみの停電であれば、分電盤のブレーカーが落ちている可能性があります。
復旧時の過電流で家電が故障するのを防ぐため、使用中の家電の電源プラグをコンセントから抜いておきましょう。
【復旧後】エコキュートの再設定などをおこなう
電気が無事に復旧した後も、いくつか確認すべき作業があります。
まず、安全のためにコンセントから抜いておいた家電製品の電源プラグを差し直します。
エコキュートや電気温水器の場合は、時刻の確認が必要です。
停電により本体の時刻設定などがリセットされてしまうことがあるため、現在時刻が表示されていない場合は正しい時刻に設定をしてください。
時刻がずれていると、電気料金が安い深夜時間帯にお湯を沸かす設定がうまく機能せず、電気代が高くなる可能性があります。
また、炊飯器のタイマーやHDDレコーダーの録画予約など、時刻に連動する他の家電も設定が初期化されている可能性があるため、あわせて確認しましょう。
もしエコキュートの操作方法がわからない場合やエラー表示が消えない場合は、無理に自身で解決しようとせず、設置した業者やメーカーのサポートセンターへ連絡をしましょう。
日頃の備えで停電リスクは減らせる!賢い電気との付き合い方

災害による大規模な停電を個人で完全に防ぐことは困難ですが、日頃の備えや工夫により、停電時の影響を最小限に抑え、生活を守ることは可能です。
たとえば、太陽光発電や蓄電池を導入して自宅で電気を貯める選択肢があります。
また、それよりもっと手軽に、経済的な負担を減らす方法として、家庭の電気料金プランそのものを見直すアプローチも非常に有効です。
ここでは、停電リスクに備えるための、賢い電気との付き合い方を考えてみましょう。
蓄電池や太陽光発電は有効だが導入にはコストがかかる
停電対策として、太陽光発電システムや家庭用蓄電池の導入は非常に有効な手段です。
日中に電気を貯めておくことで、万が一の停電時でも照明やスマートフォンの充電など、最低限の電力を確保できる安心感は計り知れません。
しかし、これらの設備を導入するためには、一般的に高額な初期費用がかかります。
また、長期的に見ればメンテナンスコストも考慮に入れる必要があります。
もちろん、長期的な視点で見れば非常に優れた投資ですが、すべての家庭がすぐにはじめられる対策ではないのも事実です。
そのため、もっと手軽にはじめられ、かつ家計にもプラスになるような、別の角度からの検討も重要といえるでしょう。
もっと手軽な対策は「電力会社のプラン見直し」
太陽光発電などの設備投資よりも、もっと手軽にはじめられる停電対策への第一歩は、実は毎月の電気代を見直すことです。
日々の電気代が高いと感じている方は少なくないでしょう。
2016年の電力自由化以降、私たちはライフスタイルにあわせて、さまざまな電力会社や料金プランを自由に選べるようになりました。
ここで重要なのは、契約する電力会社を切り替えても、電気の品質や安全性、そして停電のリスクは全く変わらない点です。
つまり、切り替えで停電しやすくなる心配はありません。
今の安心感や生活の質はそのままに、純粋に電気代のみを安くできるとしたら、それはとても魅力的な選択肢ではないでしょうか。
安心はそのまま!電気代がお得になる「お得電力」という選択肢
「電気の品質は落とさずに、電気代のみを賢く節約したい」その願いを叶える選択肢としてお得電力がおすすめです。
お得電力は、現在契約している大手電力会社のサービス内容はそのままに、電気料金削減に特化した新電力サービスです。
なぜ安くなるのか、品質は本当に大丈夫なのか、手続きは面倒ではないか、といった疑問に回答しつつ、その魅力について詳しく紹介します。
大手電力会社と同じサービス内容で電気代が安くなる仕組み
お得電力が提供する最大の価値は、現在使用している大手電力会社のプランと実質的に同じサービス内容でありながら、電気料金が安くなる点にあります。
電気を供給するための設備投資を抑え、特定のターゲット層に絞ったサービス提供で運営コストを削減し、その分を料金に還元する仕組みです。
たとえば、東京電力エリアの一般的な家庭の場合、世帯人数や電気料金に応じて、年間で数千円から数万円の電気代削減が期待できます。
安心はそのままに、目に見える形で家計の負担を軽くできるのは、大きなメリットといえるでしょう。
電気の品質は変わらず停電リスクが増える心配もない
「新電力にすると、電気が不安定になったり、停電が増えたりするのか」といった不安は、とくに停電に関心のある方なら当然抱く疑問です。
しかし、お得電力に切り替えた場合でも、電気の品質や安全性はこれまでと一切変わりません。
ほかの電力会社と同様に、国から許可を受けた大手電力会社の送配電網を利用し、電気を家庭に届けています。
そのため、供給の安定性や安全性は完全に保たれており、停電のリスクが増えることはありません。
また、運営会社である株式会社Qvouは、電力事業以外にも多角的な事業展開で安定した経営基盤を築いているため、企業としての信頼性も高く、安心して長く利用できるサービスです。
面倒な手続きは一切不要!Webから数分で切り替え可能
お得電力への切り替えは、驚くほど簡単でストレスフリーです。
申し込みはスマートフォンやパソコンから最短数分で完了し、面倒な工事の立ち会いや、現在契約している電力会社への解約連絡も一切不要です。
必要なものは、毎月の電気使用量をお知らせする検針票のみ。
申し込みフォームへ入力するだけで、あとの手続きはすべてお得電力が代行します。
オール電化の停電に関するQ&A

ここまでオール電化住宅の停電対策について解説してきましたが、まだ個別具体的な疑問をお持ちの方もいるでしょう。
ここでは、とくに多く寄せられる質問をQ&A形式でわかりやすく回答します。
停電したらまずブレーカーを確認すべきですか?
停電した際、すぐにブレーカーを確認したくなるかもしれませんが、まずは状況を落ち着いて把握するのが大切です。
最初に、停電が自宅の一部のみなのか、家全体なのかを確認してください。
もし家全体が暗く、窓の外を見て近所の家も停電しているようであれば、それは自然災害や設備トラブルなどによる地域一帯の停電の可能性があります。
一方で、近所は電気がついているのに自宅のみが停電している場合は、家庭の分電盤にあるブレーカーが落ちていることが原因です。
その際は、分電盤を確認し、落ちているスイッチを上げることで復旧する場合があります。
エコキュートのお湯が出ないときはどうすればよいですか?
停電時にエコキュートのお湯が出なくなった場合、まず確認すべきは断水していないかどうかです。
停電と同時に断水も発生している場合は、残念ながら使用できません。
断水が原因でなければ、エコキュート本体に備え付けられている非常用水栓から直接お湯や水を取水できる可能性があります。
ただし、操作方法はメーカーや機種によって異なるため、事前に取扱説明書で確認することが重要です。
また、電気が復旧した後にエラー表示が消えない場合は、メーカーのサポートセンターに問い合わせをしましょう。
停電対策にポータブル電源は有効ですか?
ポータブル電源は、オール電化住宅の停電対策として非常に有効なアイテムです。
とくに、数時間程度の比較的短い停電であれば、生活の質を大きく向上させます。
具体的には、スマートフォンの充電やパソコンの利用、LEDライトのような照明器具、消費電力量の少ない家電製品の使用が可能です。
ただし、IHクッキングヒーターやエコキュート、エアコンなど消費電力量の非常に大きい機器を動かすことはできないため、その点は注意が必要です。
賃貸マンションのオール電化でも対策は同じですか?
基本的な停電対策は、持ち家でも賃貸マンションでも同じです。
カセットコンロや防災グッズの準備、停電時の初動対応などは、住居形態にかかわらず共通で備える必要があります。
ただし、太陽光発電や蓄電池といった設備の導入については、個人の判断でおこなうことはできません。
これらは建物の共用部や構造に関わるため、必ず事前に管理規約を確認し、管理会社や大家さんに相談する必要があります。
また、電力会社の切り替えは基本的に各戸で自由におこなえますが、建物全体で一括契約している場合は個別での変更ができないこともあるため、こちらも確認しておくと安心です。
まとめ:オール電化での停電は正しい知識と備えで対処可能

本記事では、オール電化住宅における停電への不安を解消するための具体的な知識と対策について解説しました。
重要なポイントは、「オール電化が災害に弱いわけではない」「正しい備えがあれば冷静に対処できる」ことです。
停電時に使用できなくなるIHクッキングヒーターへの備えとしてカセットコンロを用意したり、エコキュートのタンク内の水を活用する方法を事前に確認したりが、いざというときの安心につなげられます。
まずは本記事を参考に、自宅の防災グッズを見直し、電力会社のプランが今のままで最適かを確認するなど、今日からできる具体的なアクションをはじめてみましょう。
固定費の電気代を見直し、電気代がお得になるお得電力への導入も賢い選択肢の1つです。
<参考>
お得電力