オイルヒーターは、空気を汚さず安全性が高いことから人気の暖房器具です。
しかし、一方で「電気代が高いのでは」「エアコンと比較して実際のところどうなのか」といった費用面の不安を感じる方も少なくありません。
結論として、オイルヒーターの電気代はほかの暖房器具より高くなる傾向にありますが、日々の使い方や電力契約そのものを見直すことで、負担を大きく減らすことが可能です。
本記事では、具体的な電気代の目安から効果的な節約術、そして根本的な料金見直しの方法までを網羅的に解説します。
正しい知識を身につけ、家庭に合った賢い選択ができるようになりたい方は、ぜひ参考にしてください。
【結論】オイルヒーターの電気代は高い傾向にあるが工夫次第で節約は可能

まずは、オイルヒーターの電気代について、具体的な目安やほかの暖房器具との比較を通じて詳しく解説します。
ポイント
- オイルヒーターの具体的な電気代の目安
- 他の主要な暖房器具との電気代比較
- オイルヒーターの電気代が高くなる理由
ここからは、各項目について詳しく解説します。
オイルヒーターの具体的な電気代の目安
オイルヒーターの電気代は、家庭で簡単に計算できます。
電気代の目安は、「消費電力(kW) × 使用時間(h) × 電力料金単価(円/kWh)」という計算式で算出が可能です。
電力料金単価は契約している電力会社やプランによって異なりますが、ここでは公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が示す目安単価31円/kWh(税込)で計算します。
消費電力別の電気代の目安
| 消費電力 | 1時間あたり | 1日(8時間)あたり | 1日(24時間)あたり | 1か月(30日)あたり |
|---|---|---|---|---|
| 600W(0.6kW) | 約18.6円 | 約148.8円 | 約446.4円 | 約4,464円 |
| 900W(0.9kW) | 約27.9円 | 約223.2円 | 約669.6円 | 約6,696円 |
| 1500W(1.5kW) | 約46.5円 | 約372.0円 | 約1,116円 | 約11,160円 |
※1か月(30日)あたりの料金は、1日8時間使用した場合の目安です。
このように、消費電力や使用時間によって電気代は大きく変わります。
自身の使い方にあわせて、一度どのくらいの費用がかかるのかを把握しておくと安心です。
他の主要な暖房器具との電気代比較
オイルヒーターの電気代を、ほかの暖房器具と比較してみましょう。
部屋全体を暖めるエアコンと、部分的に暖めるこたつやホットカーペットでは役割が異なりますが、1時間あたりの電気代の目安を比較すると次のようになります。
暖房器具の電気代比較(1時間あたり)
| 暖房器具 | 消費電力の目安 | 1時間あたりの電気代の目安 |
|---|---|---|
| オイルヒーター | 600W〜1500W | 約18.6円〜46.5円 |
| エアコン(暖房) | 105W〜1480W | 約3.3円〜45.9円 |
| こたつ | 300W | 約9.3円 |
| ホットカーペット(2畳用) | 500W | 約15.5円 |
※エアコンの消費電力は、設定温度や外気温により大きく変動します。
表を見ると、一般的にエアコンの方が電気代は安い傾向にあることがわかります。
目的別!暖房器具の電気代安い順ランキング
- 部屋全体を暖めるなら:エアコン
- 足元などを部分的に暖めるなら:こたつ
- 安全性と快適性を最優先するなら:オイルヒーター
単純な料金比較のみでなく、それぞれの暖房器具の特長を理解し、利用シーンに応じて使い分けることが賢い節約につながるでしょう。
オイルヒーターの電気代が高くなる理由
オイルヒーターの電気代が高くなる主な理由は、その暖房の仕組みにあります。
オイルヒーターは、本体内部のオイルを電気で暖め、その熱が本体パネルから放出される「輻射熱」によって、壁や天井、床などをじんわりと暖める仕組みです。
温風で急速に部屋を暖めるエアコンとは異なり、空間全体が暖まるまでには時間がかかります。
そのため、運転開始から設定温度に達するまでの消費電力が大きくなる傾向があるのです。
一方で、一度部屋が暖まると、電源を切っても暖かさが持続しやすいという特長もあります。
電気代が高くても選ばれるオイルヒーターの3つのメリット

電気代が決して安くはないオイルヒーターですが、それでも多くの方に選ばれるのには理由があります。
主なメリットは次の3つです。
- メリット1:火傷や火事のリスクが低く安全性が高い
- メリット2:空気を汚さず乾燥しにくい快適な暖かさ
- メリット3:運転音が静かでメンテナンスの手間が少ない
それぞれのメリットについて、具体的に解説します。
メリット1:火傷や火事のリスクが低く安全性が高い
オイルヒーターが持つ最大のメリットは、その安全性の高さです。
火を一切使わないため、一酸化炭素中毒などの心配がありません。
また、本体の表面温度も比較的高温になりにくく、万が一触れても火傷をしにくい設計になっています。
この特長から、小さな子どもやペットがいる家庭でも安心して利用できる暖房器具として人気です。
多くの製品には、本体が転倒した際に自動で電源が切れる機能や、過熱を防止する機能も搭載されており、つけっぱなしで就寝する場合でも、ほかの暖房器具に比べて火災のリスクが低いといえるでしょう。
メリット2:空気を汚さず乾燥しにくい快適な暖かさ
快適な室内環境を保てることも、オイルヒーターの大きな魅力です。
エアコンのように風を出さないため、床のホコリやハウスダスト、ペットの毛などを巻き上げることがありません。
空気をクリーンに保つことができ、アレルギーが気になる方にも適しています。
また、燃焼を伴わないので、二酸化炭素が発生せず、頻繁に換気をする必要もありません。
温風によって室内の水分を奪うこともなく、喉や肌が乾燥しにくい点も嬉しいポイントです。
とくに空気が乾燥しやすい冬場や、就寝時に利用する暖房器具として、非常に優れているといえるでしょう。
メリット3:運転音が静かでメンテナンスの手間が少ない
日々の使い勝手のよさも、オイルヒーターが支持される理由の一つです。
運転音が静かなため、テレビの音を邪魔したり、仕事や勉強の妨げになったりすることもありません。
その静かさから、リビングだけでなく、書斎や寝室での利用にも適しています。
また、メンテナンスの手間がほとんどかからない点も大きなメリットです。
内部のオイルは交換や補充が不要で、エアコンのようなフィルター掃除も必要ありません。
シーズンオフの際に、本体のほこりを軽く拭き取る程度で済む手軽さが魅力です。
【今日からできる】オイルヒーターの電気代を抑える効果的な節約術

オイルヒーターのメリットを最大限に活かしつつ、気になる電気代は少しでも抑えたいものです。
これから紹介する3つのポイントを意識するのみで、暖房効率が上がり、無駄な電力消費を減らせます。
ポイント
- 節約の基本:効果的な設置場所と温度設定
- 便利な機能を活用:タイマー運転とエコモード
- 暖房効率を上げる:部屋の断熱性を高める工夫
それぞれの節約術について、詳しく解説します。
節約の基本:効果的な設置場所と温度設定
オイルヒーターの電気代を節約するためには、まず設置場所と温度設定を見直すことが基本です。
最も効率的な設置場所は、窓際です。窓際に置くことで、外から侵入する冷たい空気を暖め、部屋の中に冷気が広がるのを防ぎます。
これはコールドドラフト現象と呼ばれる、冷たい空気が下降する性質を利用したもので、暖かい空気が部屋全体に自然と循環しやすくなります。
また、設定温度は必要以上に上げすぎず、快適に過ごせる範囲で低めに設定することを心がけましょう。
部屋の広さ、つまり畳数に合ったサイズの製品を選ぶことも、無駄な電力消費を抑えるうえで非常に重要です。
便利な機能を活用:タイマー運転とエコモード
オイルヒーターの便利な機能を活用することも、節電につながります。
タイマー機能を上手に使えば、生活スタイルにあわせて効率的な運転が可能です。
たとえば、起床する1時間前に電源がONになるように、そして就寝してから1時間後にOFFになるように設定することで、無駄な運転時間をなくせます。
また、「エコモード」や「自動運転モード」が搭載されているモデルもおすすめです。
これらの機能は室温を自動で検知し、最適な電力レベルで運転を調整してくれるため、無駄な消費電力を賢く抑えられます。
常にフルパワーで運転するのではなく、こうした機能を積極的に活用しましょう。
暖房効率を上げる:部屋の断熱性を高める工夫
部屋の断熱性を高めることで、オイルヒーターで暖められた熱を外に逃がさず、暖房効率を格段に上げられます。
最も効果的なのは、窓の断熱対策です。
厚手のカーテンや、床まで届く長さのカーテンに変えるのみでも、外からの冷気の侵入を大幅に防げます。
市販の断熱シートを窓に貼るのもよいでしょう。
また、ドアの開閉は最小限に抑え、隙間風が入る場所があれば隙間テープで塞ぐといった小さな工夫も大切です。
さらに、サーキュレーターを併用して、天井付近に溜まりがちな暖かい空気を部屋全体に循環させることで、設定温度を低くしても快適に過ごせます。
節約術とあわせて検討したい!根本的な電気代の見直し

ここまでオイルヒーターの効果的な使い方や節約術を紹介してきましたが、さらなる電気代削減を目指すなら、より根本的な部分に目を向けることも重要です。
具体的には、家庭の「電気契約」そのものを見直すという選択肢です。
節約術だけでは限界も?電気代高騰の現状
近年、ニュースなどで耳にする機会も増えましたが、燃料費の高騰などを背景に、電気料金は上昇傾向にあります。
そのため、日々の節約術を実践しても、電気代の負担がなかなか減らないと感じる方もいるでしょう。
暖房器具の使い方を工夫することはもちろん大切ですが、その効果には限界があるのも事実です。
そこで重要になるポイントが、電気代の請求元である「電力会社との契約内容を見直す」という視点です。
注目すべきは電力会社との契約プランそのもの
2016年にはじまった電力自由化により、私たちはライフスタイルにあわせて電力会社や料金プランを自由に選べるようになりました。
現在、多くの「新電力」と呼ばれる会社が、地域の大手電力会社よりも割安な料金プランを提供しています。
電力会社を切り替えることで、毎月の電気代を根本的に削減できる可能性があります。
とくに、オイルヒーターの使用で冬場の電気代が高くなりがちな家庭にとって、契約プランの見直しは非常に効果的な一手になるといえるでしょう。
【年間最大9,936円節約】根本的な見直しならお得電力がおすすめ
電気代を根本的に見直すなら、新電力サービス「お得電力」がおすすめです。
お得電力は、複雑なプランや条件がなく、シンプルに電気代が安くなることが最大の魅力です。
ここからは、お得電力の特長や、実際にどれくらい電気代が安くなるのかを詳しく解説します。
お得電力とは?大手電力会社より常に安いシンプルな料金体系
お得電力は、株式会社Qvouが運営する新電力サービスです。
最大の特長は、各エリアの大手電力会社が提供する一般的なプラン、いわゆる従量電灯プランと比較して、基本料金と電力量料金がどちらも約3%安く設定されている点です。
特別な割引の適用条件や、複雑なオプションはありません。
現在契約している大手電力会社からお得電力に切り替えるのみで、毎月の電気代をシンプルに抑えられます。
運営会社である株式会社Qvouは、累計販売本数1億本を突破した人気商品「のむシリカ」の販売元でもあり、2025年時点で創業40年の歴史を持つ、信頼性の高い企業です。
エリア別に見るお得電力の年間電気代削減額シミュレーション
お得電力に切り替えると、年間でどれくらいの電気代が節約できるのでしょうか。
ここでは、エリアと世帯人数別に、大手電力会社からの切り替えによる年間の削減額の目安を表で紹介します。
エリア別・世帯人数別 年間削減額の目安
| エリア | 1人世帯 | 2〜3人世帯 | 4〜6人世帯 |
|---|---|---|---|
| 北海道 | 約3,202円 | 約5,713円 | 約9,973円 |
| 東北 | 約2,727円 | 約4,894円 | 約8,657円 |
| 東京 | 約2,665円 | 約4,811円 | 約8,553円 |
| 中部 | 約2,008円 | 約3,563円 | 約6,259円 |
| 北陸 | 約2,664円 | 約4,675円 | 約8,054円 |
| 関西 | 約1,641円 | 約3,081円 | 約5,661円 |
| 中国 | 約2,641円 | 約4,807円 | 約8,557円 |
| 四国 | 約2,519円 | 約4,595円 | 約8,255円 |
| 九州 | 約1,825円 | 約3,289円 | 約5,832円 |
| 沖縄 | 約3,144円 | 約5,646円 | 約9,936円 |
※燃料費調整額、再生可能エネルギー発電促進賦課金は含みません。
たとえば、東京電力エリアに住む4人家族の場合、年間で約8,553円の電気代が節約できる計算になります。
この削減額があれば、冬場にオイルヒーターを使用したことによる電気代の増加分を、十分にカバーできる可能性があるといえるでしょう。
なぜお得電力は電気代を安くできるのか
「なぜ大手電力会社より安くできるのか」と疑問に思う方もいるでしょう。
お得電力が安い料金を提供できる理由は、経営努力によって事業運営にかかるコストを抑えているためです。
たとえば、大規模な広告宣伝費や人件費などを大手電力会社よりも抑えることで、その分を電気料金に還元しています。
電力会社を切り替えても、電気を送るための電線や設備は、これまで通り地域の大手電力会社のものを使用します。
そのため、電気の品質が落ちたり、停電が増えたりする心配は一切ありません。
万が一、新電力が倒産した場合でも、経済産業省が定める「最終保障供給」という仕組みにより、電気が止まることはないので、安心して利用できます。
オイルヒーターに関するよくある質問

ここでは、オイルヒーターについて多くの方が疑問に思う点に回答します。
安全性や特定のメーカーに関する質問など、購入を検討する際の参考にしてください。
つけっぱなしで寝ても安全ですか?
オイルヒーターは火を使わず、本体表面が極端に高温になることもないため、ほかの暖房器具と比較して就寝中も安全に利用しやすいといえます。
多くの製品には、万が一倒れた際に自動で電源が切れる「転倒時自動オフ機能」や、本体が熱くなりすぎるのを防ぐ「過熱防止機能」が搭載されています。
ただし、安全性が高いとはいえ、カーテンや布団などの燃えやすいものが長時間触れ続けないように、壁や家具から適切な距離を保って設置するなど、基本的な安全対策は必ずおこないましょう。
デロンギ製のオイルヒーターは電気代が高いと聞きましたが本当ですか?
デロンギ製でも、特別に電気代が高いということはありません。
オイルヒーターの電気代は、メーカーにかかわらず、その製品の消費電力と使用時間によって決まります。
デロンギはオイルヒーターの代表的なメーカーであり、高性能で多機能なモデルを数多く販売しているため、消費電力が大きい上位機種のイメージから「電気代が高い」という評判につながっている可能性があります。
たとえば、デロンギの代表的なモデルの消費電力は最大1500Wであり、これはほかのメーカーの同等サイズの製品と大差ありません。
実際には、消費電力を抑える「エコモード」を搭載した省エネ性能の高いモデルも多く、使い方次第で電気代を抑えることは十分に可能です。
内部のオイル交換やメンテナンスは必要ですか?
オイルヒーターの内部に入っているオイルは、本体に密封された状態になっています。
そのため、使用している間にオイルを交換したり、補充したりする必要は一切ありません。
また、エアコンのようなフィルターもなく、面倒な掃除の手間がかからないのも大きなメリットです。
日常的なメンテナンスとしては、本体表面に付着したほこりを、乾いた布などで優しく拭き取る程度で十分です。
シーズンオフで長期間使用しない場合は、ほこりを拭き取ってからカバーをかけて保管するとよいでしょう。
まとめ

本記事では、オイルヒーターの電気代が高い理由から、具体的な料金の目安、そして日々の使い方でできる効果的な節約術までを詳しく解説しました。
オイルヒーターはほかの暖房器具と比較して電気代が高くなる傾向にありますが、安全性や空気を汚さない快適性といった大きなメリットがあります。
日々の節約術に加えて、電力会社の契約プランを見直すことが、電気代を根本から削減する最も効果的な方法といえるでしょう。
電気代の見直しについては、新電力サービスを運営する当サイトの情報を参考に、家庭に最適な選択を検討してみてください。
より詳しい料金プランについては公式サイトで確認するか、「お得電力」公式サイトをチェックすることをおすすめします。
<参考>
お得電力




