オール電化住宅は、火を使わない安全性や光熱費の一本化というメリットから多くの家庭で選ばれています。
しかし、近年の電気代高騰や災害リスクを背景に、「本当にオール電化で大丈夫か」「契約後に後悔しないか」と不安を感じる方も少なくありません。
結論として、オール電化には明確なデメリットが存在しますが、ライフスタイルに合わせた対策や電力会社の選択でリスクを最小限に抑えることは可能です。
本記事では、オール電化が敬遠される具体的な理由や、賃貸や新築で失敗しないためのポイントについて解説します。
正しい知識を身につけ、自身の生活に最適なエネルギー選択ができるようになりたい方は、ぜひ参考にしてください。
【理由】なぜ「オール電化はやめとけ」と言われるのか?5つのデメリット

オール電化住宅が「やめとけ」と言われる背景には、近年のエネルギー事情の変化や設備特有のリスクなど、主に5つのデメリットが存在します。
具体的な理由は次のとおりです。
5つのデメリット
- 燃料費調整額の高騰による電気代の上昇リスク
- 昼間の電気料金単価が高く設定されているプランの罠
- 導入や交換にかかる初期費用の高さとエコキュートの寿命
- 停電時にライフラインがストップする脆弱性
- お湯切れや水圧の弱さなど生活上の不便さ
ここでは、それぞれのデメリットについて詳しく解説します。
燃料費調整額の上昇と電気代高騰の背景
近年の電気代高騰の主な要因は、燃料費調整額の上昇です。
かつては「オール電化にすれば深夜電力で光熱費が安くなる」というのが一般的でしたが、世界情勢の影響でその前提が崩れつつあります。
資源エネルギー庁や電力広域的運営推進機関が公表しているデータを見ても、火力発電の燃料となるLNG(液化天然ガス)や石炭の輸入価格が高騰しており、これが電気代にダイレクトに反映されています。
とくに電気使用量が増える冬場は、燃料費調整額のみで数千円から数万円の負担増となり、請求額が10万円を超えるようなケースも珍しくありません。
このように、外部環境の影響を受けやすい点が大きなリスクといえるでしょう。

昼間の電気代が高いプラン設定の落とし穴
オール電化向け料金プランの多くは、昼間の電気料金単価が割高に設定されています。
これは、本来であれば電気代が安い夜間にお湯を沸かし、昼間は電気をあまり使わない生活スタイルを想定しているためです。
しかし、在宅ワークの普及やペットのための空調管理などで、日中もエアコンや家電を多く使用する家庭が増えています。
東京電力の「スマートライフ」プランなどを例に見ても、昼間の単価は夜間に比べて高く設定されており、日中の使用量が多い家庭では割高な単価が適用され続けることになります。
ライフスタイルの変化と料金プランのミスマッチが、「オール電化はやめとけ」と言われる原因の一つです。

エコキュートの寿命と高額な交換費用
オール電化に欠かせないエコキュートやIHクッキングヒーターには寿命があり、定期的な交換費用が発生します。
これらの機器の導入や維持にかかるコストは、ガス給湯器と比較して高額になる傾向です。
パナソニックや三菱電機などの主要メーカーによると、エコキュートの耐用年数は一般的に10年から15年程度とされています。
交換には本体価格と工事費を合わせて40万円から60万円程度の費用がかかる場合が多く、将来的な出費に備えて計画的に修繕費を積み立てておく必要があります。
ランニングコストだけでなく、長期的なメンテナンスコストも考慮しなければなりません。

災害時・停電時のリスクと対策の限界
オール電化住宅の最大の弱点は、停電時にすべてのライフラインがストップすることです。
照明やコンセントが使用できないのみでなく、IHコンロでの調理、エコキュートによる給湯、そしてエアコンや床暖房による冷暖房もすべて停止します。
内閣府などの災害記録によると、電気はガスや水道に比べて復旧が早い傾向にありますが、それでも災害直後の数日間は不便な生活を強いられます。
カセットコンロを備蓄したり、エコキュートのタンク内のお湯を非常用水として取り出せるように手順を確認したりするなど、日ごろからの対策が不可欠です。

お湯切れや水圧など生活上の使い勝手
生活上の使い勝手において、お湯切れやシャワーの水圧に対する不満が挙がることがあります。
エコキュートは貯湯式であるため、タンクに貯めたお湯を使い切ると、再度お湯が沸くまで使用できなくなることが特徴です。
また、ガス給湯器のような水道直圧式とは異なり、タンクを経由するためシャワーの水圧が弱く感じることがあります。
家族構成に対してタンク容量が小さかったり、来客などで使用量が増えたりすると、お湯切れのリスクが高まります。
昼間に沸き増しをおこなうと割高な電気代がかかるため、使用量に気を使うストレスを感じるケースもあるでしょう。
【比較】オール電化とガス併用はどっちがお得?損益分岐点を解説

オール電化とガス併用のどちらが経済的に得かは、居住地域のガス料金体系やライフスタイルによって大きく異なります。
判断基準となるポイントは次のとおりです。
比較のポイント
- オール電化が向いている家庭とガス併用が向いている家庭の特徴
- 初期費用とランニングコストのトータル比較シミュレーション
- 賃貸物件におけるオール電化の注意点と選び方
それぞれのポイントについて、具体的な判断基準を解説します。
オール電化とガス併用のランニングコスト比較
光熱費の損益分岐点は、利用するガスの種類(都市ガスかプロパンガスか)によって大きく左右されます。
総務省統計局の家計調査データなどを参考に比較すると、一般的に都市ガスエリアではガス併用の方が安くなるケースが多く見られます。
一方、プロパンガス(LPガス)は自由料金制であり、都市ガスに比べて単価が高く設定されがちです。
そのため、プロパンガスエリアにおいては、基本料金を電気に一本化できるオール電化の方が、トータルの光熱費を抑えられる可能性が高くなります。
地域ごとのガス料金相場を確認することが重要です。
| 項目 | オール電化 | ガス併用(都市ガス) | ガス併用(プロパン) |
|---|---|---|---|
| 基本料金 | 一本化で安い | 電気+ガスで二重 | 電気+ガス(高め) |
| 災害復旧 | 早い(電気) | 普通 | 早い(ボンベ個別) |
| ランニングコスト | プラン・時間帯による | 最も安い傾向 | 高くなりがち |
| おすすめ層 | 太陽光あり・昼間不在 | 料理好き・昼間在宅 | (選択肢が少ない) |
ライフスタイル別・損益分岐点の見極め方
オール電化のメリットを最大限に活かせるのは、昼間の電気使用量が少ない家庭や、太陽光発電設備を保有している家庭です。
昼間は仕事や学校で家を空け、夜間に家事やお湯の使用を集中させるスタイルであれば、安価な深夜電力を活用できます。
反対に、日中も在宅しており電気を多く使う家庭や、お湯の使用量が非常に多い家庭では、昼間の割高な電気代が負担となりやすいため、ガス併用の方が経済的といえるでしょう。
自身の生活リズムと、契約する電力プランの単価設定を照らし合わせて判断することが求められます。
一部では「オール電化はオワコン」などと噂されることもありますが、決してそうではありません。
理由は、ライフスタイルに合った運用をすればメリットを享受できるからです。

賃貸物件でオール電化を選ぶ際の「落とし穴」
賃貸物件でオール電化を選ぶ際は、設置されている給湯器の種類に注意が必要です。
築年数の古い物件では、省エネ性能の高い「エコキュート」ではなく、ヒーターで直接お湯を沸かす旧型の「電気温水器」が設置されている場合があります。
電気温水器は消費電力が非常に大きく、電気代が跳ね上がる原因となります。
不動産情報サイトや内見時には、給湯設備がエコキュートであるかを確認することが大切です。
また、プロパンガスの賃貸物件はガス代が高額になりやすいため、設備が新しいオール電化物件であれば、相対的に光熱費を安く抑えられる有力な選択肢となります。
【対策】「やめとけ」を覆す!オール電化で失敗しないための重要ポイント

オール電化のデメリットを解消し、快適に利用するためには、設備選びや運用方法の工夫が欠かせません。
失敗しないための重要な対策は次のとおりです。
失敗しないための対策
- 太陽光発電や蓄電池とのセット運用で電気を買わない生活へ
- 家族構成や使用量に合わせた適切なタンク容量の選定
- 深夜電力プランを最大限活用する生活スタイルの工夫
これらの対策について、具体的に見ていきましょう。
太陽光発電・蓄電池との併用による「自家消費」
電気代高騰への最も効果的な対策は、太陽光発電や蓄電池を併用し、電気を「買う」から「作る、貯める」生活へシフトすることです。
昼間の高い電気代を電力会社から買わずに、太陽光発電で作った電気で賄うことができれば、光熱費を大幅に削減できます。
環境省が推進するZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の資料などでも示されているとおり、太陽光発電とオール電化の組み合わせは、エネルギー収支を改善するうえで非常に有効です。
初期費用はかかりますが、長期的なランニングコスト削減と災害時の電源確保という観点から、導入を検討する価値は十分にあります。
出典:快適で安心、「ZEH」は未来の住まいのスタンダード| ecojin(エコジン):環境省
適切な設備選定とエコキュートの設定見直し
エコキュートのタンク容量は、家族構成や使用量に合わせて適切なサイズを選ぶことが重要です。
主要メーカーの推奨目安として、3〜4人家族であれば370L、4〜5人家族であれば460Lが一般的です。
容量が小さすぎると頻繁に沸き増しが必要となり、電気代の増加につながります。
また、機器の設定を見直すことも有効な節約術です。
多くのエコキュートには、使用量を学習して無駄な沸き上げを抑える「省エネモード」や、旅行などで数日間家を空ける際に沸き上げを停止する「休止設定」が搭載されています。
これらをこまめに活用することで、無駄な電気消費を抑えられます。
【推奨】電気代削減の近道は「電力会社の切り替え」にある

高額な設備投資をせずに、今すぐ電気代を削減したい場合は、電力会社の切り替えが最も手軽で効果的な方法です。
具体的なメリットや選び方は次のとおりです。
電力会社切り替えのポイント
- 設備投資なしですぐに始められる節約術としての「電力会社切り替え」
- 大手電力会社の規制料金プランや古いプランを見直すメリット
- 市場連動型プランのリスクと固定単価プランの安心感
それぞれについて詳しく解説します。
設備を変えずに電気代を下げる唯一の方法
太陽光パネルの設置や給湯器の交換には数十万円単位の費用がかかりますが、電力会社の切り替えであれば、基本的に初期費用はかかりません。
資源エネルギー庁が進める電力小売全面自由化により、消費者は自由に電力会社を選べる権利を持っています。
「オール電化=大手電力会社」という固定観念を見直し、新電力を検討することは、家計防衛の第一歩です。
既存の設備はそのままで、契約先を変えるのみで基本料金や従量料金単価が下がり、毎月の固定費を削減できる可能性があります。
市場連動型プランの注意点と選び方
新電力の中には、日本卸電力取引所(JEPX)の市場価格に連動して電気代が決まる「市場連動型プラン」が存在します。
このプランは市場価格が安いときは電気代が下がりますが、夏や冬の需要逼迫時や燃料高騰時には、料金が青天井に高騰するリスクがあります。
オール電化住宅は電気使用量が多いため、単価の変動が家計に与える影響も甚大です。
リスクを避けたい場合は、市場価格の影響を直接受けない「固定単価型」や、大手電力会社の料金設定を基準とした安定的なプランを選ぶことが賢明です。
オール電化プランもお得に!「お得電力」のメリット
オール電化住宅の電気代を安く抑えたい方におすすめなのが、株式会社Qvouが運営する「お得電力」です。
大手電力会社からの切り替えでメリットが出やすい理由は次のとおりです。
お得電力のメリット
- 大手電力会社と同等のプラン内容で単価設定が割安
- 面倒な市場価格の変動を気にせず使える安心の料金体系
- 実際にどれくらい安くなる?エリア別の削減額目安
ここでは、お得電力の特徴とメリットについて詳しく紹介します。
大手電力会社より「確実に安い」シンプルな料金設定
お得電力の最大の特徴は、各地域の電力会社(東京電力や関西電力など)の従量電灯プランなどを基準とし、それよりも割安な料金単価を設定している点です。
基本料金や電力量料金が一定割合安くなるよう設計されているため、切り替えるのみで確実にメリットを享受できる仕組みとなっています。
オール電化向けのプランにも対応しており、市場連動型のように急激な価格高騰を心配する必要もありません。
また、創業40年以上の実績を持つ株式会社Qvouが運営しており、サービスの継続性や信頼性の面でも安心して利用できます。
公式サイトではエリア別の削減額データも公開されており、たとえば北海道エリアの4〜6人世帯では年間約1万円近く節約できる試算も出ています。
切り替え手続きは簡単!Webで完結
電力会社の切り替えに面倒な手続きは必要ありません。
現在契約している電力会社の検針票(お客様番号や供給地点特定番号がわかるもの)があれば、Web上の申し込みフォームから5分程度で手続きが完了します。
現在の電力会社への解約連絡は新しい電力会社がおこなうため、利用者自身でする必要はありません。
また、スマートメーターが未設置の場合は交換工事がおこなわれますが、原則として工事費や立会いは不要です。
手軽に申し込みができ、次回の検針日から自動的に新しい料金プランに切り替わります。
検針票がお手元にあれば、Webから5分程度で申し込みが完了します。

オール電化に関するよくある質問(Q&A)

オール電化の導入や利用に関して、よく寄せられる質問をまとめました。
よくある質問
- 賃貸でオール電化物件はやめておいた方がいいですか?
- 2025年以降、古い電気料金プランはどうなりますか?
- オール電化で停電したらトイレも流せませんか?
それぞれの疑問について回答します。
Q. 賃貸でオール電化物件はやめておいた方がいいですか?
賃貸物件の場合は、給湯設備の種類と地域のガス料金事情によります。
給湯器が省エネ性能の高い「エコキュート」であれば、光熱費を安く抑えられる可能性が高いでしょう。
しかし、旧式の「電気温水器」の場合は、電気代が高額になるリスクがあるため注意が必要です。
また、プロパンガス地域であれば、ガス代が高くなりがちなため、相対的にオール電化物件の方がトータルコストを抑えられるケースが多くなります。

Q. 2025年以降、古い電気料金プランはどうなりますか?
東京電力の「電化上手」など、現在は新規受付を終了している旧プランについては、燃料費調整額の上限撤廃や単価の見直しにより、必ずしも「旧プランのままがお得」とは言えない状況になりつつあります。
一度解約すると元のプランには戻れませんが、現状の電気代が高いと感じる場合は、最新のプランや新電力と比較シミュレーションをおこなうことが重要です。
Q. オール電化で停電したらトイレも流せませんか?
トイレが流せるかどうかは、オール電化かどうかよりもトイレの設備によります。
タンクレストイレなどの電動で水を流すタイプは、停電時に通常の方法では流せなくなりますが、多くの機種で手動レバーやバケツの水で流す緊急排水機能がついています。
タンク式トイレであれば、停電時でもレバーを回せば通常通り流すことが可能です。
物件選びの際は、トイレの種類も確認しておくと安心です。
まとめ

本記事では、オール電化が「やめとけ」と言われる背景にある電気代高騰や災害リスク、生活上のデメリットについて解説しました。
オール電化には燃料費調整額の影響を受けやすい側面や、停電時の脆弱性といった課題があります。
しかし、これらは太陽光発電の活用や適切なタンク容量の選定、そしてライフスタイルに合った電力プランへの見直しによって、多くの場合で対策可能です。
重要なのは、メリットとデメリットを正しく理解し、自身の生活環境に合わせた最適な選択をおこなうことです。
とくに電気代の高さに悩んでいる方は、設備投資不要で始められる電力会社の切り替えが有効な解決策となります。
まずは現在の契約内容を見直し、どれだけ光熱費を削減できるかチェックしてみてください。
<参考>
お得電力




