「新電力の料金がまた上がった」「このまま契約を続けて大丈夫なのかな」と不安を感じていないでしょうか。
近年、新電力会社も電気料金の値上げを実施しており、多くの方が家計負担の増加により頭を悩ませています。
新電力の値上げには燃料費の高騰や国の補助金停止、再エネ賦課金の見直しなどの理由があり、今後も値上げは続くことが予想されるでしょう。
本記事では、電気料金が値上げされる理由や背景、電気代を節約する方法について詳しく解説します。
さらに、市場電力などの新たな選択肢や、今後の電気料金の見通しについても紹介するため、賢く電気代を節約していきたい方はぜひ参考にしてみてください。
大手電力会社の電気料金は値上げする?

結論から言うと、大手電力会社の電気料金はすでに値上げされており、今後もさらに上がる可能性があります。
2022年以降、電気料金の高騰が続いており、多くの家庭や企業に影響を及ぼしています。
とくに東京電力や関西電力などの大手電力会社は、燃料費の高騰や政府の補助金終了を理由に電気料金の値上げを実施しました。
2024年には主要な電力会社で料金改定が実施され、2025年以降も燃料費の変動に応じて料金の見直しが続く見通しです。
では、具体的にどのような要因が電気料金の値上げにつながっているのでしょうか。 次の項目で詳しく解説します。
大手電力会社の電気料金が値上げする理由

大手電力会社の電気料金が値上げしている最大の理由は次の3つです。
- 政府の補助金停止
- 燃料費の高騰
- 再エネ賦課金の見直し
とくに2022年以降、世界的なエネルギー価格の高騰の影響を受け、電気料金の上昇傾向が続いています。
ここからは、それぞれの要因について詳しく解説します。
国からの補助金の停止
大手電力会社の電気料金値上げの理由の一つとして、国からの補助金が2025年3月使用分で終了したことが挙げられます。
政府は、2025年1月から「電気・ガス料金負担軽減支援事業」として補助金を支給し、電気料金の値上げを抑えていました。しかし、この補助金は段階的に縮小され、最終的には3月分で終了しています。
補助金があった時期は1kWhあたり1.3~2.5円程度の割引が適用されていましたが、その支援がなくなったことで、電気代は今後一気に上昇するでしょう。
とくに電気使用量が多い家庭や企業では、毎月の請求額が大幅に増えていくことが予想されます。
今後、補助金の再開があるかどうかは未定ですが、政府の財政状況を考えると、すぐに再開される可能性は低いと考えられます。
燃料費の高騰
電気料金の大きな要因の一つが、火力発電に使う燃料(LNG・石炭・原油)の価格上昇です。
日本はエネルギーの多くを海外から輸入していますが、円安や国際情勢の変化により、燃料費が高騰しています。
とくにロシアとウクライナの国際問題や中東の情勢不安により、LNG(液化天然ガス)や石炭の価格が大幅に上昇しました。
燃料価格が高騰すると、そのコストは電気料金に反映されます。とくに火力発電の割合が高い日本では、燃料費の影響を大きく受けやすいことが現状です。
再エネ賦課金の見直し
再生可能エネルギーの導入を促進するため、「再エネ賦課金」と呼ばれる料金が電気代に上乗せされています。
賦課金は年々上昇しており、2024年度の再エネ賦課金単価は、1kWhあたり3.49円でした。これは、標準家庭で月々数百円程度の負担増に相当します。
再エネ賦課金は、太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーを普及させるために必要なコストを、電気を使うすべての方が負担する制度です。
しかし、発電コストが下がらないまま賦課金のみ増加しており、電気料金の上昇要因の一つになりつつあります。
太陽光発電の導入が進むにつれ、買い取り価格の負担が増えているため、今後も再エネ賦課金が上昇する可能性は高いでしょう。
新電力会社の電気料金も値上げする?

新電力会社の電気料金も、大手電力会社と同様に値上げされるケースが多く見られます。
状況次第では、新電力の方が大手電力よりも値上げ幅が大きくなる可能性があることにも注意が必要です。
なぜそのような状況になるのか、詳しく見ていきましょう。
大手電力より値上げ幅が大きくなる可能性がある
新電力会社の電気料金は、大手電力会社と比べて値上げ幅が大きくなる可能性があります。
大手電力会社よりも値上げ幅が大きくなる主な要因は、電力の調達方法です。
大手電力会社は、自社の発電所を持ち、安定して電力を供給できます。一方、新電力会社は電力の大部分を市場から仕入れているため、市場価格の変動に直接影響を受けます。
とくに燃料価格が高騰すると、市場価格も急上昇するため、新電力会社は調達コストをそのまま料金に反映せざるを得ません。
その結果、大手電力よりも急激な値上げが発生する場合があります。
さらに、市場価格が高騰すると、電力を調達できなくなる新電力会社も出てきます。
実際に、過去には市場価格の高騰に耐えられず、事業を撤退した新電力会社も多数ありました。
新電力で値上げ幅が大きくなる理由
新電力会社の値上げ幅が大きくなる主な理由は、次の3つです。
- 市場価格の影響を直接受ける
- 設備を持たないため固定費の削減が難しい
- 容量市場の負担が増加する
新電力会社は発電設備を持たない分、固定費を削減しにくいため、大手電力会社よりもコスト調整が難しい傾向にあります。
さらに容量市場の負担が年々増加していることも、新電力会社の値上げ幅が大きくなる理由の一つです。
容量市場は、将来の電力供給を安定させることが目的の制度で、発電設備の維持費を確保するために新電力会社にも負担が求められています。
しかし、新電力会社は大手電力会社よりも資金力が弱いため、容量市場の負担増加への対策として、電気料金の大幅な値上げを余儀なくされることがあります。

新電力で電気代を節約する方法

新電力の値上げが続くなか、電気代を節約するための具体的な対策が求められています。
電力会社を変更するのみでなく、日々の使い方や設備の見直しによっても節約効果を高めることが可能です。
ここでは、電気代を削減するための実践的な方法を4つ紹介します。
自身のライフスタイルに合わせて、できることから取り組んでみましょう。
節電の意識を高める
電気代を抑える最も簡単な方法は、日々の生活の中で節電を意識することです。
たとえば、エアコンの温度設定を夏は1℃高く、冬は1℃低くするのみで、年間の電気代を大幅に節約できます。また、使用していない部屋の電気はこまめに消すことも重要です。
加えて、家電製品の使い方を見直すことも重要といえます。たとえば、冷蔵庫の開閉時間を短くする、洗濯物はまとめ洗いをする、炊飯器の保温機能を長時間使わない、なども効果的です。
さらに、待機電力の削減も効果的な節電方法の一つです。使用していない家電のコンセントを抜いたり、オンオフの切り替えスイッチがついた電源タップを使用したりすれば、年間の待機時消費電力量を約49%削減できます。
省エネ家電に買い替える
家電の買い替えは初期投資が必要ですが、最新の省エネ家電を導入することで、長期的に電気代を大幅に削減できます。
たとえばエアコンは、経済産業省の資源エネルギー庁によると、家庭の電気代の30%以上を占めるとされています。
10年以上前のエアコンを最新の省エネモデルに買い替えれば、年間の電気代を大幅に削減できる可能性があるでしょう。
また、LED照明に変更するのみでも、電気代を約半分に抑えることが可能です。
冷蔵庫や洗濯機も消費電力の大きい家電であるため、エネルギー消費効率の高いモデルを選ぶことが重要です。
省エネ家電の導入には初期費用がかかるものの、長い目で見れば、電気代の節約により十分に元が取れるでしょう。
太陽光発電を設置する
自宅の電気代を大幅に削減したい場合は、太陽光発電の導入が有効です。
太陽光発電システムは、太陽の光を電気に変える装置で、自宅で発電した電気を使うことで、電力会社から購入する電気の量を減らせます。
とくに昼間の電気使用量が多い家庭では、発電した電力を自家消費することで、電力会社からの購入量を大幅に減らせます。また、余った電力を売電すれば、電気代を間接的に減らすことも可能です。
近年では、初期費用無料で導入できる「ソーラーレンタル」のサービスも増えており、導入のハードルも下がりつつあります。
ただし、太陽光発電システムの設置には、専門業者による工事が必要です。
また、設置場所や日照条件などにより発電量が左右されるため、事前にきちんと検討することが大切です。
適切な電力会社・プランを選ぶ
電気代の節約には、契約している電力会社や料金プランの見直しも重要です。
新電力の値上げが進む中でも、電気料金が比較的安いプランを提供している会社は存在します。
たとえば、市場価格連動型のプランを選ぶと、電気料金が安くなるタイミングを狙って節約できます。
また、電気とガスをセット契約にすると割引が適用される場合もあります。
契約内容を見直し、自身のライフスタイルに合ったプランを選ぶことで、さらなる節約が可能です。
電気代を節約するためには、日々の使い方を工夫することに加え、家電の見直しや電力会社の選定も重要です。
とくに、新電力の値上げが進む中では、これらの対策を組み合わせて電気代を抑えることが求められます。
次の項目では、新電力の値上げが不安な方に向けた「市場電力」について解説します。

新電力の値上げが心配な方に「市場電力」がおすすめ
新電力の料金値上げや、今後の電気料金の動向に不安を感じている方もいるでしょう。
そのような方におすすめしたいのは、「市場連動型」の料金プランを提供する電力会社「市場電力」です。
ここでは、市場電力のメリットについて詳しく解説します。
賢く電気代を節約できる
市場電力は、市場連動型の料金プランを提供している新電力会社です。
市場連動型プランでは、電力市場の価格変動に応じて電気料金が変動します。
市場価格が安い時間帯に電気を多く使用し、反対に市場価格が高い時間帯の電気使用を控えることで、賢く電気代を節約可能です。
積極的に節電に取り組みたい方、電気の使い方を工夫できる方には、市場電力をおすすめします。
業界最安値のサービス料
「市場電力」は、サービス料が安く設定されていることも魅力です。
市場連動型プランでは、卸電力取引所(JEPX)の市場価格に応じて電気料金が変動します。
市場電力のサービス料は、この変動する料金に上乗せされる固定費用で、他社と比べて低く設定されていることが特徴です。
このサービス料が安ければ安いほど、電気料金も安くなる可能性があります。
「市場電力」のサービス料は、ほかの市場連動型プランを提供している電力会社と比較しても、非常に低い水準に設定されています。
そのため、市場価格が同じであれば、「市場電力」の方が電気料金が安くなる可能性が高いでしょう。
ただし、市場連動型プランは、市場価格の変動により電気料金が大きく変わる可能性があることに注意が必要です。
市場価格が高騰した場合は、電気料金も高くなるリスクがあります。
工事不要で切り替えが簡単
市場電力への切り替えは特別な工事が不要で、手続きもシンプルです。
現在契約している電力会社からオンラインで申し込むのみで簡単に切り替えができ、多くの場合、契約変更手数料もかかりません。
さらに、スマートメーターが設置されている家庭であれば、とくに追加の設備投資をすることなく、スムーズに市場電力を利用できるのもメリットです。
市場電力は、低い水準のサービス料、工事不要で簡単に切り替えできるというメリットがあり、とくに新電力の値上げが不安な方にとって、大きな節約効果が期待できます。
新電力の値上げに関するよくある質問

新電力を利用していると、「値上げが急にあった」「どうしてこんなに電気代が高くなったんだろう」と不安に感じることも多いかもしれません。
そこで、ここではよくある質問を取り上げ、その疑問を解決していきます。
疑問を解消し、今後の電気料金との付き合い方を考える参考にしてください。
電気代が倍になった原因は?
「電気代が倍になった」という声を聞くことがありますが、その原因は一つではありません。複数の要因が重なっている可能性があります。
主な原因としては、次のようなものが挙げられます。
- 燃料費の高騰
- 電力市場の価格変動
- 家庭での電気使用量の増加
燃料費の高騰と電力市場の価格変動は、電気代が高くなる大きな要因です。電力会社のコストが増えることで、そのまま電気料金に反映されることがあります。
急に電気代が高騰した場合は、単純に家庭での電気使用量が増えた可能性も考えられます。
まずは自身の電気料金の内訳を詳しく確認し、どの要因が影響しているのかを把握しましょう。
国からの補助金は再開する?
電気代とガス代の負担軽減策「電気・ガス料金負担軽減支援事業」の実施期間は、2025年1月~3月使用分までです。
2025年4月以降の支援については未定であり、まだ政府からの公式的な発表はありません。
しかし、今後の燃料価格の動向や経済状況、国民生活への影響などを踏まえ、政府内で検討が進められる可能性はあります。
最新の情報は、経済産業省 資源エネルギー庁のWebサイトなどで確認するようにしましょう。

新電力が「やばい」「やめとけ」といわれる理由は?
新電力に対して、「やばい」「やめとけ」などのネガティブな意見が見られることがありますが、主な理由として考えられるのは次のとおりです。
- 価格変動リスク
- 倒産や撤退のリスク
- 情報不足や誤解
新電力会社は、大手電力会社よりも財務基盤が弱いことから、市場価格や燃料価格の高騰に耐えきれず、倒産や撤退などに追い込まれやすい傾向があります。
新電力の仕組みや料金プランについて、十分な情報が行き届いていない、あるいは誤解されているケースもありますが、リスクを理解したうえで切り替えを検討することが大切です。
また、すべての新電力会社が「やばい」わけではありません。
経営基盤が安定している会社や、独自の料金プランやサービスを提供している会社も多く存在します。
自身のライフスタイルや価値観に合った電力会社を選ぶことが重要です。

まとめ

新電力会社が値上げする理由として、世界的な燃料費の高騰や市場の価格変動が影響しています。また、再エネ賦課金の見直しも新電力にとって大きな要因です。
今後の電気代の変動に備えるためには、適切な電力会社やプランの選択が欠かせません。
新電力の値上げが心配な方には、「市場電力」のようなサービス料が低い水準の電力会社も選択肢の一つとして検討する価値があります。
「新電力はやめとけ」「やばい」などの声が気になる場合でも、信頼できる電力会社を選ぶことで、リスクを最小限に抑えることが可能です。
自身の生活に最適な選択をするために、情報収集を怠らないようにしましょう。
電気料金の値上げに関して心配なことがあれば、事前に調査して最適な対策を講じることで、無駄な出費を抑えられます。
本記事を参考に、自身に合った電力会社とプランを選び、賢く電気代を節約していきましょう。