深夜電力は、夜間の電気料金を安く設定したプランとして広く知られています。
しかし、最近では廃止の噂や燃料費調整額による料金の実質的な値上げなど、本当にお得なのか疑問を持つ方も少なくありません。
結論として、深夜電力は夜間の使用が多い家庭には依然メリットがありますが、昼間の単価が高い点や将来的なプラン変更のリスクには注意が必要です。
この記事では、深夜電力の仕組みや具体的な時間帯、廃止が噂される背景と実際の料金リスクについて解説します。
正しい知識を身につけ、自身の生活スタイルに合わせた最適なプラン選びができるようになりたい方は、ぜひ参考にしてください。
【深夜電力とは】仕組みと廃止・値上げが進む現在の実情

深夜電力とは、電力需要が少ない夜間の時間帯における電気料金単価を割安に設定したプランのことです。
しかし、近年はこのお得な仕組みに変化が生じています。
ここでは、基本的な仕組みや時間帯、そして昨今話題となっている廃止や値上げの実情について解説します。
実情を知るための3つのポイント
- 深夜電力が安い理由と具体的な適用時間帯
- 多くの電力会社で新規受付が停止されている背景
- 燃料費調整額の影響で実質単価が上がっているリスク
それぞれの内容を具体的に解説します。
深夜電力プランの基本的な仕組みと安い時間帯
深夜電力プランとは、一般的に電力需要が低下する夜間から早朝にかけての電気料金単価を低く設定する仕組みのことです。
主な電力会社の深夜時間帯例
電力会社は発電した電気を貯めておくことが難しいため、夜間の余剰電力を有効活用してもらう目的でこのような料金設定をおこなっています。
とくに夜間にお湯を沸かして貯めておくエコキュートや電気温水器、蓄熱暖房機を利用するオール電化住宅との相性がよく、給湯にかかるコストを大幅に抑えられる点が特徴です。
各電力会社の公式サイトでは、プランごとの詳細な時間帯区分図が公開されています。

なぜ廃止と言われるのか?新規受付停止の現状
現在、インターネット上などで深夜電力の廃止が噂されていますが、これは多くの大手電力会社で旧来の深夜電力専用プランの新規受付が終了している事実に起因します。
新規受付停止の主な理由
- 原子力発電所の稼働状況の変化
- 電力自由化による市場競争の激化
- 燃料費の高騰による収益構造の悪化
東京電力エナジーパートナーをはじめとする主要な電力会社の公式サイトには、深夜電力Aや深夜電力Bといった特定のプランについて、新規申し込みの受付を終了した旨が記載されています。
ただし、すでに契約しているユーザーに関しては、現時点で強制的に解約されるケースは少なく、継続して利用できる場合がほとんどです。
注意が必要なのは、一度解約したりほかのプランへ変更したりすると、再度同じプランには戻れないという点です。
深夜=安いは本当か?見落としがちな燃料費調整額の罠
深夜電力プランは、基本料金や電力量料金の単価設定のみを見れば割安に見えますが、トータルコストで判断することが重要です。
近年は燃料費調整額の影響により、実質的な支払い額が増加しているケースがあります。
料金が高騰する主な要因
- 燃料費調整額の上限撤廃
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金の加算
- 昼間の電気使用量の増加
燃料費調整額とは、原油やLNGなどの燃料価格変動を電気料金に反映させる仕組みです。
古い深夜電力プランの中には、この調整額に上限が設けられていないものや、約款変更により上限が撤廃されたものがあります。
請求書の内訳を確認し、基本料金や調整額を含めた総額で判断することが大切です。

【メリット・デメリット】継続すべきか乗り換えるべきかの判断基準

生活スタイルの変化や電気代の変動に伴い、現在のプランを継続すべきか、それとも乗り換えるべきか悩む方も多いでしょう。
ここでは、判断の材料となるメリットとデメリットについて整理します。
判断基準となる3つの視点
- 夜型生活やエコキュート利用者にとってのメリット
- 昼間の電気代が割高になるデメリットと損益分岐点
- 現在の生活スタイルとプランが合っているかのチェックリスト
自身の状況と照らし合わせながら確認していきましょう。
深夜電力プランを継続するメリットと向いている人
深夜電力プランを継続する最大のメリットは、やはり夜間の割安な単価を活かせる点にあります。
とくに日中は仕事や学校で家を空けることが多く、電気の使用が夜間に集中する家庭には適しています。
継続が向いているケース
- エコキュートや電気温水器を使用している
- 日中は不在で電気をほとんど使わない
- 洗濯や食洗機などの家事を夜間にまとめておこなう
また、現在契約しているプランがかなり以前のものであれば、現行の標準的なプランよりも基本料金などが優遇されている可能性があります。
このような既得権益がある場合は、安易に変更せず慎重に考えた方がよいでしょう。
一般的な生活パターンを用いたシミュレーションでも、夜間の使用比率が極端に高い家庭では、依然として深夜電力プランの優位性が示されることがあります。
昼間の在宅が増えると損をする?具体的なデメリット
深夜電力プランには、夜間が安い反面、昼間の単価が標準的なプランよりも高く設定されているという構造的なデメリットがあります。
| プラン名 | 昼間の単価傾向 | 夜間の単価傾向 | 燃料費調整額のリスク |
|---|---|---|---|
| 深夜電力プラン | 割高(標準の2〜3倍になることも) | 割安(固定単価) | 上限撤廃により高騰の可能性あり |
| 市場連動型プラン | 変動(太陽光発電が多い日は激安) | 変動(市場価格に連動) | 市場価格高騰のリスクあり |
昼間の利用が増えるリスク
- リモートワークで在宅時間が増えた
- ペットのためにエアコンを常時稼働させている
- 定年退職や育休などでライフスタイルが変化した
昼間の単価は、夜間の単価の2倍から3倍程度に設定されていることも珍しくありません。
そのため、ライフスタイルの変化によって昼間の電力消費量が増えると、夜間の節約分以上に昼間の割増分が負担となり、結果として電気代総額が高くなることが考えられます。
たとえば、昼間の電気使用割合が全体の30%を超えると、深夜電力プランの方が割高になる傾向があります(※一般的な目安)。
家庭の電力使用量がどの時間帯に多いのかを把握し、昼間の使用比率が高い場合は、プランの見直しを考えるタイミングといえるでしょう。
【電気代高騰対策】プラン変更の前に試すべき節約テクニック

すぐにプラン変更をするのが難しい場合でも、機器の設定や使い方を工夫することで電気代を抑えられる可能性があります。
ここでは、今日から実践できる具体的な節約テクニックを紹介します。
効果的な3つの節約術
- エコキュートの設定見直しによる効率化
- 蓄電池や蓄熱機器を活用したピークシフト
- 家電を使う時間帯を意識した行動変容
それぞれの方法について詳しく見ていきます。
エコキュートの沸き上げ時間を最適化する方法
オール電化住宅において電気代の大きな割合を占めるのが給湯です。
そのため、エコキュートの設定を最適化することは、節約への近道となります。
設定見直しのポイント
- リモコンの時刻設定が正しいか確認する
- 昼間の自動沸き増し機能を停止する
- ソーラーチャージ機能を活用する
まず、エコキュート本体の時計がずれていると、高い時間帯に沸き上げをおこなってしまう可能性があります。
定期的に時刻を確認し、深夜の安い時間帯に稼働するようにしましょう。
また、一部の機種には、湯切れ防止のために昼間に自動で沸き増しをする機能がついていることがありますが、節約を優先するならこの機能をオフにし、必要な分だけ深夜に沸かす設定にすることをおすすめします。
太陽光発電を導入している場合は、発電した電気で沸き上げるソーラーチャージ機能の活用も有効です。
家電のピークシフトで高い時間帯を避ける工夫
ピークシフトとは、電気を使う時間帯をずらすことです。
深夜電力プランの場合、単価の高い昼間の使用を避け、安い夜間にシフトすることで電気代を削減できます。
ピークシフトの具体例
- 洗濯乾燥機や食洗機のタイマー機能を活用する
- 炊飯器の保温時間を短くする
- スマートフォンの充電を夜間におこなう
洗濯乾燥機や食器洗い乾燥機など、消費電力が大きく稼働時間が長い家電は、タイマーセットして深夜帯や早朝に動くようにします。
また、家庭用蓄電池がある場合は、安い深夜電力を貯めておき、単価の高い昼間にその電気を使うことで、購入する電力量を減らせます。
ただし、集合住宅や住宅密集地で深夜に家電を動かす際は、騒音や振動が近隣トラブルにならないよう配慮が必要です。
家電ごとの消費電力を把握し、無理のない範囲で時間をずらすのみでも、月間の電気代に差が出ます。
【新常識】夜だけでなく昼も安い市場連動型という選択肢
ポイント: 太陽光発電が盛んな昼間は、市場価格が暴落する傾向にあります。この「安い電気」を使えるのが市場電力の最大のメリットです。
これまでは「夜に電気を使うのがお得」というのが常識でしたが、電力市場の動向は大きく変化しています。
ここでは、新しい選択肢として注目されている市場連動型プランについて解説します。
市場連動型を知るポイント
- 太陽光発電の普及で昼間の電気代が下がっている市場動向
- 深夜電力プランに固執せず、市場価格に合わせるメリット
- リスクを抑えて恩恵を受けるためのポイント
古い常識にとらわれず、最新のトレンドを知ることが節約への第一歩です。
太陽光普及で変化した電力市場価格のトレンド
かつては原子力や火力発電所が夜間も稼働し続けるため、夜間の電気が余り安くなっていました。
しかし現在は、太陽光発電の普及により、晴れた昼間に電気が余る現象が起きています。
市場価格の変化
- 晴天の昼間は市場価格が極端に下がる
- 夕方から夜にかけて価格が上昇する傾向がある
市場連動型プランは、この市場価格に連動して電気料金が決まるため、従来高かった昼間の時間帯でも、天候によってはお得に電気を使える可能性があります。
古いプランからの乗り換えでコストパフォーマンスを改善
「深夜電力プランでなければ損をする」という思い込みを捨て、トータルコストで比較検討することが重要です。
市場連動型プランへの乗り換えによって、電気代を削減できる可能性があります。
乗り換え検討のメリット
- 昼間の安い時間帯を活用できる
- 基本料金や手数料の設定が割安な場合がある
- ゲーム感覚で節電に取り組める
市場連動型プランは、市場価格が安い時間帯に電気を使うことでメリットを最大化できます。
とくに、ペットがいて昼間もエアコンを使う家庭や、在宅ワークで日中の電力消費が多い家庭にとっては、大手電力会社の深夜電力プランにある「昼間の高い固定単価」を回避できる有力な選択肢です。
実際に市場連動型プランに切り替え、アプリで価格を確認しながら電気を使うことで、以前より電気代が下がったという事例もあります。
【おすすめサービス】市場価格に合わせて賢く節約できる市場電力
電力市場の変化に合わせて賢く電気代を節約したいなら、株式会社Qvouが提供する市場電力がおすすめです。
ここでは、その特徴とメリットについて紹介します。
市場電力の3つの特徴
- 市場連動型プランで電気代の透明性が高い
- 基本料金と電力量料金のバランスがよい
- 昼間の安い時間帯も活用できる柔軟性
詳しく見ていきましょう。
市場電力の特徴と深夜電力ユーザーへのメリット
市場電力は、日本卸電力取引所の市場価格に連動した料金体系を採用している新電力サービスです。
従来の深夜電力プランのように昼間の単価が高く固定されているわけではないため、柔軟に電気を使用できます。
主なメリット
- 市場価格が安い時間帯(深夜や晴れた昼間)を狙って使える
- 電源料金が市場連動のため仕組みが透明
市場価格が下がる深夜帯はもちろん、太陽光発電の影響で価格が暴落する晴れた昼間なども、お得に電気を使えるチャンスとなります。
運営会社の株式会社Qvouは、累計販売本数1億本を突破したのむシリカの販売元でもあり、創業40年以上の歴史を持つ企業です。
経営基盤が安定しているため、新電力の契約に不安を感じている方でも安心して利用できるでしょう。
どのような家庭が市場電力でお得になるのか
市場電力は、電気を使うタイミングを工夫できる家庭でとくに効果を発揮します。
お得になりやすい家庭の特徴
- アプリなどで価格を確認し家事の時間を調整できる
- 蓄電池や電気自動車を持っていて充電時間を選べる
- 昼間の在宅時間が長く従来のプランでは割高だった
たとえば、翌日の電気料金単価を確認し、「明日の昼は安いから洗濯機を回そう」「夜間が安いからエコキュートの沸き上げ時間を変更しよう」といった調整ができる家庭におすすめです。
また、蓄電池や電気自動車(EV)があれば、安い時間に電気を貯めて高い時間に使うことで、さらに効率的に電気代を削減できます。
これまでの深夜電力プランでは昼間の高さに悩んでいた方も、市場電力ならその悩みを解消し、納得感のある電気代管理ができるようになるでしょう。
【FAQ】深夜電力や乗り換えに関するよくある質問

最後に、深夜電力やプランの乗り換えに関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
よくある質問
- 政府の電気代補助金に関する適用状況
- 特定エリア(関西・九州など)の事情
- オール電化住宅でのプラン変更のリスク
疑問を解消して、最適な選択をおこないましょう。
政府の電気代支援(補助金)は深夜電力にも適用されますか?
政府による電気・ガス料金支援(酷暑乗り切り緊急支援等)は、基本的に深夜電力プランを含む家庭用の低圧契約全般に適用されます。
支援の内容
- 2026年1月使用分から3月使用分が対象
- 低圧契約の場合は1kWhあたり最大4.5円の値引き
- 申請手続きは不要で自動的に適用される
経済産業省資源エネルギー庁の発表によると、2026年1月および2月の使用分は4.5円/kWh、3月使用分は1.5円/kWhの値引きがおこなわれます。
この支援を受けるために特別な手続きをする必要はなく、対象の電力会社と契約していれば、毎月の請求額から自動的に割り引かれます。
詳細な期間や単価については、資源エネルギー庁の特設サイトなどで最新情報を確認してみてください。

関西電力や九州電力などの深夜電力プランは廃止されますか?
関西電力や九州電力に限らず、多くの大手電力会社では、旧来の深夜電力専用プラン(深夜電力Aや深夜電力Bなど)の新規受付を終了しています。
現状のポイント
- 新規の申し込みはできない場合が多い
- 既存契約者が強制解約されることは現状ほとんどない
- 将来的な約款変更の可能性はある
「廃止」という言葉が飛び交っていますが、これは主に「新規受付の終了」を指しています。
現在契約中の方がいきなりプランを解約させられるケースは稀ですが、将来的にプランの統廃合や約款の変更がおこなわれる可能性はゼロではありません。
各電力会社の公式サイトにあるプレスリリースや重要なお知らせを定期的に確認し、正確な情報を把握しておくことが大切です。
オール電化を深夜電力以外のプランに変えても大丈夫ですか?
オール電化住宅でも、必ずしも深夜電力プランでなければならないわけではありません。
ライフスタイルによっては、ほかのプランの方が安くなるケースもあります。
検討時の注意点
- 現在の電気使用量の内訳(昼間と夜間)を確認する
- 従量電灯プランや市場連動型プランと比較する
- 必ずシミュレーションをおこなってから変更する
たとえば、昼間の電気使用量が非常に多い家庭では、深夜電力プランの「昼間の高い単価」が足かせとなり、一般的な従量電灯プランや、市場連動型の市場電力に切り替えた方がトータルコストが下がることもあります。
重要なのは、「オール電化=深夜電力」という固定観念にとらわれず、実際の使用状況に基づいてシミュレーションをおこなうことです。
市場電力の公式サイトなどにある料金シミュレーションツールを活用し、具体的な数値で比較してみることをおすすめします。
まとめ

この記事では、深夜電力の基本的な仕組みやメリット、廃止の噂の実情について解説しました。
深夜電力は夜間の単価が安い反面、昼間の割高な料金や燃料費調整額の影響により、必ずしもすべての家庭でお得になるわけではありません。
とくに昼間の在宅時間が増えた場合などは、市場連動型プランなど新しい選択肢への切り替えも含めた検討が重要です。
自身の電気使用状況やライフスタイルに合わせて、最適なプランを選ぶことが節約への近道です。
まずは家庭の電気代がどれだけ安くなるか、シミュレーションでチェックしてみてください。
<参考>
市場電力




