電力量（kWh）の計算方法と求め方 | シミュレーションと計算後に試したい電気代節約術も解説

電気代の請求書などで、電力量（kWh）や消費電力（W）という言葉を目にする機会は多いでしょう。

しかし、電気代がなぜ高いのか、WとkWhはどう違うのか、どう計算するのかと疑問を持つ方も少なくありません。

結論として、電力量の計算は消費電力（kW）× 使用時間（h）というシンプルな公式で求められます。

本記事では、電力量の基本的な計算方法、WとkWhの違い、家電別の電気代シミュレーション、さらに計算結果を踏まえた節約の選択肢を解説します。

正しい計算方法を理解して電気代への不安を解消し、具体的な節約行動を検討できるようになりたい方は、ぜひ参考にしてください。

【結論】電力量（kWh）の計算式はとてもシンプル！

電気代の明細に記載されている「電力量（kWh）」の計算は、一見難しそうに見えますが、基本的な計算式は非常にシンプルです。

ここでは、電力量（kWh）を計算するための3つの基本ステップを解説します。

電力量計算の3ステップ

• 電力量（kWh）を求める基本の公式
• 計算に必要な2つの要素（消費電力と使用時間）
• 単位（WとkW）の換算方法

ここからは、各項目について詳しく解説します。

電力量（kWh）を求める基本の公式

電力量（kWh：キロワットアワー）を求めるための最も基本的な公式は、次のとおりです。

電力量（kWh） ＝ 消費電力（kW） × 使用時間（h）

この計算式が、毎月の電気料金の基礎となる「使用した電気の総量」を算出するための大原則となります。

まずはこの「消費電力」と「使用時間」を掛けるという点を押さえておきましょう。

計算に必要な2つの要素（消費電力と使用時間）

上記の公式のとおり、電力量を計算するために必要な要素は次の2つのみです。

• 消費電力（kW）：その家電が動くのに必要な電気のパワー
• 使用時間（h）：その家電を使った時間の長さ

基本的に消費電力は、本体の側面や仕様書に「定格消費電力」として記載されています。

また使用時間については、もし「30分」のように分単位で計算したい場合、「0.5時間」のように時間（h）の単位に換算する必要があります。

単位（WとkW）の換算方法

電力量の計算で注意が必要なのが、単位の換算です。

電化製品の消費電力は1200W（ワット）のようにWで表示されることが多いですが、電力量の計算式ではkW（キロワット）を使用します。

WからkWへの換算は、次のルールに基づきます。

1000W ＝ 1kW

したがって、計算する際は、Wで表示された数値を1000で割ってkWに直す必要があります。

たとえば、消費電力が「1200W」の家電であれば、「1.2kW」として計算式に当てはめます。

WとkWの換算例

W（ワット）	kW（キロワット）
100W	0.1kW
500W	0.5kW
1000W	1kW
1500W	1.5kW

意外と混同しやすい電力（W）と電力量（kWh）の違い

電力（W）と電力量（kWh）は、電気の単位としてよく使われますが、その意味は異なります。

この違いを理解することが、電気代の仕組みを把握する第一歩です。

ここでは、それぞれの単位が何を示しているのかを、具体的に解説します。

電力と電力量の違い

• 電力（W）は瞬間の強さ（例：スピード）
• 電力量（kWh）は使った総量（例：距離）
• 電気料金の請求書で見るべき項目

それぞれの意味を、詳しく解説します。

電力（W）は瞬間の強さ

電力（W：ワット）とは、その瞬間にどれだけの電気が使われているかを示す「強さ」や「勢い」の単位です。

たとえば、電球の「60W」と「100W」を比べると、100Wの方がより強い電力を使っているため、明るく光ります。

自動車に例えるなら、時速（スピード）に相当するのがこの電力（W）です。

数値が大きいほど、その瞬間にパワフルに電気を消費していることを意味します。

電力量（kWh）は使った総量

電力量（kWh：キロワットアワー）とは、一定の時間（h）にどれだけの電気を「消費したか」を示す「総量」の単位です。

電力（W）が「スピード」なら、電力量（kWh）は「実際に進んだ距離（スピード×時間）」に例えられます。

たとえ電力（W）が大きくても、使用時間がごくわずかであれば、消費した電力量（kWh）は小さくなる仕組みです。

反対に電力（W）が小さくても、長時間使い続ければ電力量（kWh）は大きくなります。

電気料金の請求書で見るべき項目

電気代が高いという不安を抱いている方が、電気料金の請求書（検針票）で確認すべきなのは、電力（W）ではなく、ご使用量（kWh）の項目です。

このkWhの数値こそが、自身がその月に消費した電気の総量です。

そして、この数値（kWh）を基にして、後述する「電力量料金」などが計算され、最終的な電気代が決定しています。

まずは自身の請求書で、このkWhの数値がいくつになっているかを確認してみましょう。

電力量（kWh）から電気代を計算する方法

電力量（kWh）が電気を使った総量であることがわかりました。

では、その電力量（kWh）から、実際の「電気代」はどのように計算されるのでしょうか。

電気代は、kWhのみで決まるのではなく、複数の要素が組み合わさって計算されています。

電気代計算の仕組み

• 電気代を構成する主な要素
• 電力量料金の計算方法（1kWhあたりの単価）
• 燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金

これらの要素が、電力量（kWh）とどう関係しているのかを解説します。

電気代を構成する主な要素

毎月の電気代は、主に4つの要素で構成されています。

電気代 ＝ 1.基本料金 ＋ 2.電力量料金 ＋ 3.燃料費調整額 ＋ 4.再生可能エネルギー発電促進賦課金

このうち、電力量（kWh）の計算と最も深く関係するのが「2.電力量料金」です。

さらに、「3.燃料費調整額」と「4.再生可能エネルギー発電促進賦課金」も、使用した電力量（kWh）に応じて金額が変動します。

電力量料金の計算方法（1kWhあたりの単価）

電力量料金は、その月に使用した電力量（kWh）に応じて計算される料金です。

電力量料金 ＝ 電力量（kWh） × 1kWhあたりの料金単価

この「1kWhあたりの料金単価」は、契約している電力会社や料金プランによって異なります。

たとえば、東京電力の一般的なプラン（従量電灯B）では、使用量が多くなるほど単価が高くなる「段階制料金」が採用されています。

東京電力 従量電灯Bの料金単価例（2025年11月時点）

区分	1kWhあたりの料金単価（税込）
第1段階（〜120kWh）	29.80円
第2段階（121〜300kWh）	36.40円
第3段階（301kWh〜）	40.49円

燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金

電力量（kWh）の使用量は、「燃料費調整額」と「再生可能エネルギー発電促進賦課金（再エネ賦課金）」の金額にも影響します。

燃料費調整額とは、発電に必要な燃料（原油・LNGなど）の価格変動を電気代に反映させるものです。

再エネ賦課金とは、太陽光や風力などの再生可能エネルギーを普及させるために、電気を使うすべての方が負担する料金です。

これらも「使用した電力量（kWh） × 単価」で計算されるため、kWhが多ければ全体の電気代も高くなります。

【家電別】消費電力量と電気代の計算シミュレーション

ここまで学んだ計算式を活用し、実際の家電製品でどれくらいの電気代がかかるのかをシミュレーションしてみましょう。

ここでは、家庭の中でもとくに電力消費が大きい、または使用時間が長い家電を取り上げます。

家電別シミュレーション

• エアコン（冷房・暖房）の電気代
• PC（デスクトップ・ノート）の電気代
• 冷蔵庫（24時間稼働）の電気代
• （補足）便利な電力計算ツールの活用

※電気代の計算は、1kWhあたりの料金単価を仮に「31円（税込）」として計算します。

（この単価はあくまで目安であり、契約の電力会社やプランによって異なります）

エアコン（冷房・暖房）の電気代

家庭の電力消費で大きな割合を占めるのがエアコンです。

経済産業省 資源エネルギー庁の調査でも、エアコンは家庭におけるエネルギー消費の上位を占めることが多く、電気代への影響は大きいといえます。

たとえば、冷房時の消費電力が「800W」のエアコンを1時間使用した場合の電気代を計算してみましょう。

• 消費電力（kW）： 800W ÷ 1000 ＝ 0.8kW
• 1時間あたりの電気代： 0.8kW × 1時間 × 31円/kWh ＝ 約24.8円

もしこのエアコンを1日に8時間使用した場合、1日あたり約198.4円かかる計算です。

PC（デスクトップ・ノート）の電気代

在宅ワークの普及などで、パソコンの使用時間が増えた方もいるでしょう。

パソコンの消費電力は機種によって異なり、一般的にノートパソコンよりもデスクトップパソコンの方が大きい傾向にあります。

たとえば、消費電力が「150W」のデスクトップパソコンを8時間使用した場合で計算します。

• 消費電力（kW）： 150W ÷ 1000 ＝ 0.15kW
• 8時間あたりの電気代： 0.15kW × 8時間 × 31円/kWh ＝ 約37.2円

在宅ワーカーや自営業者の方など、電気使用量が多い家庭では、電気料金に応じて特典がもらえる「のむシリカ電力」のようなサービスも選択肢になるかもしれません。

冷蔵庫（24時間稼働）の電気代

24時間365日稼働し続ける冷蔵庫は、ほかの家電と電気代の計算方法が少し異なります。

冷蔵庫は常に一定の電力を消費しているわけではないため、カタログなどには「年間消費電力量（kWh/年）」という目安が記載されていることが一般的です。

この数値を使えば、1日あたりの平均的な電気代を計算できます。

たとえば「年間消費電力量 300kWh/年」の冷蔵庫の場合、次のような電気代となります。

• 1日あたりの平均電力量： 300kWh ÷ 365日 ＝ 約0.82kWh
• 1日あたりの電気代： 約0.82kWh × 31円/kWh ＝ 約25.4円

（補足）便利な電力計算ツールの活用

ここまで解説したように、電力量や電気代は自身でも計算できます。

しかし、家電や時間ごとに計算するのが面倒だと感じる方もいるでしょう。

その場合は、各電力会社などが提供している「電気代シミュレーション」などの計算ツールを活用するのも一つの方法です。

ただし、ツールによって計算の前提条件、たとえば燃料費調整額を含んでいるかなどが異なる場合があるため、結果はあくまで目安として捉えるとよいでしょう。

電力量を計算して「高い」と感じたら見直すべきこと

自身の電力量（kWh）を計算してみて、もし「思ったより高い」と感じた場合、どのような対策が考えられるでしょうか。

電気代を節約するためには、いくつかの見直すべきポイントがあります。

電気代節約のために見直すべき点

• まずは家電の使い方（節電）
• 契約アンペア数（基本料金）の見直し
• 最も効果が出やすい電力会社の料金プラン

それぞれの対策について、具体的に解説します。

まずは家電の使い方（節電）

計算結果が高い場合、まず着手しやすい対策が日々の節電です。

使用した電力量（kWh）そのものを減らせれば、電気代の削減につながります。

• エアコンのフィルターの定期的な掃除
• エアコンの設定温度の見直し（冷房時は高く、暖房時は低く）
• 使っていない家電の待機電力の削減（主電源を切る、プラグを抜く）

資源エネルギー庁が推奨する無理のない省エネ節約なども参考に、できることからはじめてみるのがおすすめです。

契約アンペア数（基本料金）の見直し

電力量（kWh）との直接的な関係はありませんが、「基本料金」を見直すことも節約につながる場合があります。

これは、東京電力エリアなど従量電灯Bのように、契約アンペア（A）数によって基本料金が変わるプランを契約している場合に有効です。

たとえば、4人家族から子どもが独立して2人家族になったのに、契約アンペア数が40Aや50Aのままになっているケースがあげられます。

家庭のライフスタイルに対して契約アンペア数が大きすぎると、基本料金を無駄に支払っている可能性があるため、一度確認してみる価値はあるでしょう。

最も効果が出やすい電力会社の料金プラン

日々の節電や契約アンペア数の見直しには、限界があるのも事実です。

そこで、電気の使い方やライフスタイルを無理に変えずに電気代を削減する方法として、最も効果が出やすいのが電力会社と料金プランの見直しです。

2016年の電力自由化以降、多くの会社がさまざまな料金プランを提供しています。

とくに、現在も大手電力会社（東京電力、関西電力など）の従量電灯プランを契約し続けている場合、自身の使い方に合った新電力のプランに切り替えるのみで、電気代が安くなる可能性が高いといえるでしょう。

計算の手間をかけるよりも、「切り替えるのみ」で節約できる手軽さが、新電力への見直しの大きなメリットです。

計算不要で電気代を削減する選択肢

電力量の計算は複雑で、自身で最適なプランを探すのは非常に大変だと感じるかもしれません。

もし、大手電力会社の従量電灯プランを契約中なら、計算不要でシンプルに電気代を安くできる可能性があります。

その選択肢の一つが、株式会社Qvouが提供する「お得電力」です。

お得電力の紹介

• 計算より簡単「お得電力」とは
• 【エリア別】大手電力会社との削減額シミュレーション
• 安心の運営会社とシンプルな申し込み方法

「お得電力」がなぜ計算不要で節約につながるのか、その理由と実績データを紹介します。

計算より簡単「お得電力」とは

「お得電力」は、切り替えないと勿体ないをコンセプトにした新電力サービスです。

その最大の魅力は、料金体系のシンプルさにあります。

複雑な計算や、電気を使う時間帯を気にする必要は（原則として）ありません。

現在契約中の大手電力会社（従量電灯プランなど）から「お得電力」に切り替えるのみで、基本料金と電力量料金どちらも約3%安くなる料金設定が特徴です。

電力量の計算や節電努力を続けるよりも、簡単な手続きで電気代の削減が期待できます。

【エリア別】大手電力会社との削減額シミュレーション

「お得電力」に切り替えた場合、住んでいるエリアや家庭の電気使用量（kWh）で、どれくらいの削減が見込まれるのでしょうか。

本記事で計算した電力量（kWh）を基準に、弊社の独自データによる削減額の目安（シミュレーション）を紹介します。

【お得電力 削減額シミュレーション例（年間・約）】

エリア（比較対象）	世帯人数・使用量目安	大手電力会社での月額料金（約）	年間削減額（約）
北海道電力	4〜6人世帯・600kWh	27,714円	9,973円
東京電力	4〜6人世帯・600kWh	23,834円	8,553円
関西電力	2〜3人世帯・350kWh	8,531円	3,081円
九州電力	4〜6人世帯・600kWh	16,191円	5,832円

自身の請求書に記載された使用量（kWh）と照らし合わせることで、より具体的な削減イメージが掴めるでしょう。

安心の運営会社とシンプルな申し込み方法

新電力への切り替えに際して、運営会社の信頼性が気になる方もいるでしょう。

「お得電力」を運営する「株式会社Qvou」は、2025年時点で創業40年の歴史を持つ総合企業です。

累計販売本数1億本を突破した人気商品「のむシリカ」の販売元でもあり、安定した経営基盤を持つ企業として、安心してサービスを利用できます。

申し込みはWebから簡単におこなうことが可能です。

手元に現在契約中の電力会社の検針票（電気ご使用量のお知らせ）を用意しておくと、記載されている「お客様番号」や「供給地点特定番号」の入力がスムーズです。

電力量の計算に関するよくある質問

最後に、電力量の計算に関してよく寄せられる質問について、Q&A形式で回答します。

電力量計算に関するQ&A

• 中学の理科で習うジュール（J）との違いは
• アンペア（A）ボルト（V）ワット（W）の関係は
• 三相電力（業務用）の電力量も計算できますか

これらの疑問点を解消し、電力量への理解をさらに深めましょう。

中学の理科で習うジュール（J）との違いは

電力量（Wh）も熱量（J：ジュール）も、どちらも「エネルギーの量」を表す同じ仲間です。

使われる場面が異なるのみで、主にWhは電気代の計算、Jは中学の理科の熱量計算などで使われます。

この2つの単位は、次の式で換算できます。

1Wh ＝ 3600J

これは、1Wの電力を1時間（＝3600秒）使った時のエネルギー量が1Whと定義され、1Wの電力を1秒間使った時のエネルギー量が1Jと定義されているためです。

アンペア（A）ボルト（V）ワット（W）の関係は

電力（W）は、電流（A：アンペア）と電圧（V：ボルト）から計算できます。

関係式は次のとおりです。

電力（W） ＝ 電流（A） × 電圧（V）

• A（アンペア）： 電気が流れる量
• V（ボルト）： 電気を押し出す力（圧力）
• W（ワット）： 実際に消費される電気の仕事量（電力）

たとえば、日本の家庭の電圧は一般的に100Vです。

もし、ある家電に5Aの電流が流れた場合、その家電の電力（消費電力）は「5A × 100V ＝ 500W」と計算できます。

三相電力（業務用）の電力量も計算できますか

本記事で主に解説したのは、一般家庭で使われる単相（たんそう）電力の計算方法です。

工場やオフィスビル、大型の業務用エアコンなどで使われる三相（さんそう）電力（動力）は、計算方法が異なります。

三相電力の計算には、電圧や電流のほかに力率（りきりつ）という要素も関わってくるため、より複雑になります。

業務用の正確な電力量計算が必要な場合は、契約中の電力会社や電気主任技術者などの専門家に相談してみてください。

なお、株式会社Qvouが運営する「のむシリカ電力」は、電気を多く使う法人での契約にも対応しています。

まとめ

本記事では、電力量（kWh）の基本的な計算方法、電力（W）との違い、そして電力量から電気代を計算する仕組みについて解説しました。

電力量の計算は「消費電力（kW）× 使用時間（h）」が基本であり、このkWhの数値が電気代に直結していることが重要です。

計算結果を見て「高い」と感じた場合、日々の節電のみでなく、電力会社の料金プランを見直すことも有効な手段となります。

電力コストの削減については、当サイトで紹介した「お得電力」の具体的な削減データも参考に、自身の状況に最適な判断をすることが望ましいでしょう。

家庭の電気代がどれだけ安くなる可能性があるか、まずは「お得電力」の公式サイトでチェックしてみてください。

＜参考＞
お得電力