「ENEOSでんきはやばい」「料金が高くなった」といった評判を聞いて、契約して大丈夫なのか、あるいは乗り換えを考えるべきか悩んでいませんか。
ENEOSでんきは過去に料金の値上げがあり、注意が必要です。ただしすべての状況で「やばい」わけではなく、利用するメリットもあります。
本記事では、ENEOSでんきが「やばい」と言われる理由や料金値上げの背景、実際の料金プラン、利用者の評判を詳しく解説します。
さらに、東京電力など他の電力会社との料金比較や、メリット・デメリットもまとめました。
ENEOSでんきが本当に「やばい」のかを正しく理解し、自身に最適な電力会社を選ぶための参考にしてください。
【結論】ENEOSでんきはやばい?料金・評判まとめ

ENEOSでんきは2023年に料金値上げを実施し、2022年11月には燃料費調整額の上限も撤廃したため、確かに電気料金が高くなったケースがありました。
とくに電気使用量が少ない家庭では、基本料金がかかる分、割高に感じやすいでしょう。
一方で、電気を多く使うファミリー世帯や車をよく利用する方には、ガソリン割引などの特典を含めると総合的にお得になる可能性もあります。
さらに、提携しているクレジットカードによりポイント還元率が高くなるなど、ポイ活を意識している方もメリットが得られます。
長期契約による割引プランも用意されており、デメリットばかりではありません。
ENEOSでんきの料金が高くなった理由

「ENEOSでんきは以前より高くなった」との声を聞くことがありますが、その背景には大きく分けて二つの理由が考えられます。
具体的には、2023年に行われた料金プラン自体の値上げと、それに先立つ2022年の燃料費調整額の上限撤廃です。
ここでは、それぞれの内容を詳しく解説しましょう。
2023年に料金が値上げ
ENEOSでんきは2023年10月検針分(11月支払い分)から、一部エリアを除き電気料金プランの価格改定を実施しました。
この値上げでは、毎月固定でかかる「基本料金」と、電気を使った分のみかかる「電力量料金」の両方が見直されました。
具体的な値上げ幅は契約しているプランやエリアで異なるため、一度自身の契約内容を確認してみるとよいでしょう。
2022年11月には燃料費調整額の上限撤廃
料金が高くなったもう一つの大きな要因として、2022年11月から実施された「燃料費調整額」の上限撤廃が挙げられます。
燃料費調整額とは、発電に必要な液化天然ガス(LNG)や石炭などの燃料価格の変動を、毎月の電気料金に反映させるための金額です。
以前は、燃料費調整額に上限が設けられており、燃料価格が高騰しても、電気料金への反映額は一定の範囲内に抑えられていました。
しかし、世界的な燃料価格の高騰を受けて、ENEOSでんきを含む多くの新電力会社が上限を撤廃しました。
上限がなくなったことで、燃料価格が上がれば、その分が直接的に電気料金に上乗せされるようになり、結果として電気代の大幅なアップにつながりました。
上限撤廃は、多くの電力会社でおこなわれた動きですが、とくに燃料価格が高騰した時期には、電気代の上昇を強く感じる要因となったといえるでしょう。
ENEOSでんきの基本情報

ENEOSでんきは、日本の大手エネルギー企業であるENEOSグループが提供する電力サービスです。
長年のエネルギー供給実績を持つ企業が運営しているため、安心感があります。
ここでは、ENEOSでんきの主な特徴やサービス内容、そして電気が利用できるエリアについて確認しましょう。
ENEOSでんきの特徴とサービス
ENEOSでんきの最も大きな特徴は、ガソリンスタンドでおなじみのENEOSならではの特典が用意されている点です。
具体的には、電気料金の支払いに指定のENEOSカードを利用すると、ガソリン代や灯油代が割引になるサービスがあります。
車を頻繁に利用する方には、日々の生活でお得感を実感しやすいでしょう。
また、電気料金に応じてVポイントなどのポイントが貯まる特典もあります。
提携しているクレジットカードの種類によっては、さらにポイント還元率が優遇される場合もあり、ポイントを効率よく貯めたい方にも向いています。
料金プランについては、2年間契約で電気料金が割引される「にねんとく2割(とくとく割)」といった長期契約者向けの特典も提供されています。
さらに、一部エリアでは都市ガスの供給もおこなっており、電気とガスをまとめて契約可能です。契約内容や電気の使用量は、専用のマイページから簡単に確認できます。
ENEOSでんきの対応エリア
ENEOSでんきは、沖縄電力エリアと一部離島を除く、日本全国の多くの地域で利用可能です。対応エリアは次のとおりです。
- 北海道電力エリア
- 東北電力エリア
- 東京電力エリア
- 中部電力エリア
- 北陸電力エリア
- 関西電力エリア
- 中国電力エリア
- 四国電力エリア
- 九州電力エリア
つまり、日本の主要な地域に居住の方は、ENEOSでんきへの申し込みが可能です。
ただし、沖縄電力エリアと一部の離島については、現在のところ供給エリアの対象外となっているため、注意が必要です。
引越し先などで契約を検討する際は、まず新住所が対応エリアに含まれているかを確認するとよいでしょう。
【やばい?】ENEOSでんきのデメリット

ENEOSでんきには、契約する前に知っておきたいデメリットや注意点がいくつかあります。「やばい」という評判が気になる方は、次の点を確認しておきましょう。
電気使用量が少ない家庭は高くなりやすい
ENEOSでんきの料金プランは、電気をある程度使う家庭でメリットが出やすいように設定されています。
そのため、一人暮らしの方など、月々の電気使用量が少ない場合は、他の電力会社と比較して料金があまり安くならなかったり、場合によりかえって高くなってしまったりする可能性があるため注意が必要です。
とくに、基本料金が設定されているプランでは、電気をあまり使わなくても毎月固定の費用がかかります。
以前は電気代が安い印象があったとしても、料金改定により現在の料金体系では状況が変わっていることも考えられます。
電気の使用量が少ない方は、契約前に料金をシミュレーションしておくことが重要です。
解約金が発生するケースがある
ENEOSでんきでは、契約するプランにより解約時に費用が発生する可能性があります。
とくに注意が必要なのは「にねんとく2割(とくとく割)」のような長期契約を前提とした割引プランです。
このようなプランでは、2年間の契約継続を約束する代わりに電気料金の割引を受けられますが、契約期間の途中で解約する場合、解約金(違約金)として一定の金額が請求されることがあります。
たとえば、更新月以外での解約で1,100円(税込)程度の解約手数料がかかる場合があります(※金額は契約時期などにより異なる可能性あり)。
頻繁に引っ越しをする可能性がある方や、他の電力会社へ柔軟に乗り換えを検討したい方は、契約期間の縛りや解約金の有無を事前に確認しておく必要があります。
オール電化向けのプランがない
2025年4月現在、ENEOSでんきではオール電化住宅に特化した専用の料金プランを提供していません。
オール電化住宅では、夜間の電気料金が割安になるプランが一般的ですが、ENEOSでんきにはそうした時間帯別の料金設定がありません。
そのため、オール電化住宅に住んでいる方がENEOSでんきに切り替えると、エコキュートなど夜間に多く電気を使用する機器の電気代が大幅に高くなる可能性があります。
オール電化の家庭では、オール電化専用プランを提供している他の電力会社を検討した方がよいでしょう。
【やばくない?】ENEOSでんきのメリット・特典

ENEOSでんきには、「やばい」という評判のみでなく、利用者にとって嬉しいメリットやお得な特典も用意されています。
車をよく使う方や、ポイントを貯めたい方、長く契約を続ける予定の方には魅力的です。
ここでは、ENEOSでんきの主なメリットについて詳しく解説します。
ガソリン代の割引でお得
ENEOSでんきの最大の魅力は、電気料金とガソリン代をセットで節約できる点です。
電気料金の支払いに指定の「ENEOSカード(C・P・S・NICOS)」を利用すると、毎月のガソリン代や灯油代、軽油代が割引になります。
たとえば1リットルあたり1円引きなど、カードの種類や利用状況により異なりますが、日常的に車に乗る方には、継続的な節約につながる嬉しい特典です。
近所にENEOSのガソリンスタンドがある方や、通勤やレジャーで車を頻繁に使う方は、ガソリン割引のみでもENEOSでんきを選ぶ価値があるかもしれません。
ポイント還元で節約可能
ENEOSでんきでは、電気料金に応じてポイントが貯まる特典も用意されています。
たとえば、Vポイントと提携しており、電気料金200円(税抜)につき1ポイントが貯まります(※ポイント付与条件は変更される場合あり)。
貯まったポイントは、提携店での買い物などに利用できるため便利です。
さらに、特定の提携クレジットカード(例:ANAカード、ビューカードなど)で電気料金を支払うことで、通常よりも高い還元率でポイントやマイルを貯められる場合もあります。
普段からポイ活を意識している方や、特定のポイントを集中して貯めている方にとって、毎月の固定費である電気代で効率よくポイントを貯められる点は、メリットといえるでしょう。
にねんとく2割(とくとく割)の長期特典
長期的にENEOSでんきを利用する予定の方のために、「にねんとく2割(とくとく割)」と呼ばれる割引プランが用意されています。
2年間契約を継続すると、毎月の電気の従量料金(使った分のみかかる料金)が割引になる特典です。
割引率はプランにより異なりますが、たとえば最初の150kWhまでの従量料金単価が割引になるなど、電気をコンスタントに使う家庭にはメリットがあります。
ただし、特典を受けるためには2年間の継続利用が条件となり、契約期間中に解約すると1,100円(税込)の違約金が発生します。
長期間同じ場所に住む予定があり、電力会社をこまめに変更する予定がない方に向いている特典です。
ENEOSでんきはやばい?他社と料金比較

ENEOSでんきの料金が本当に「やばい」のか、あるいは他の電力会社と比べてお得なのかを判断するためには、実際の料金を比較してみることが大切です。
次に、ENEOSでんきと代表的な電力会社である東京電力や、他の人気の新電力会社との料金を比較してみましょう。
東京電力との料金比較【一人暮らし・二人暮らし・ファミリー】
まずは、従来の大手電力会社である東京電力とENEOSでんきの料金を、世帯タイプ別に比較します。
電気料金を構成するのは、基本料金と使った分のみかかる電力量料金、そして燃料費調整額や再生可能エネルギー発電促進賦課金などです。
ここからは、関東エリアを対象とした比較例を紹介します。
(※2025年4月時点の料金であり、燃料費調整額や再生可能エネルギー発電促進賦課金は含まれていません)
一人暮らし
一人暮らし(30A、月間使用量250kWh)の場合の料金比較は次のとおりです。
電力会社/項目 | 基本料金 | 従量料金 | 合計月額料金(目安) |
---|---|---|---|
ENEOSでんき | 935.25円 | 8,712.5円 | 約9,647円 |
東京電力 | 935.25円 | 9,100円 | 約10,035円 |
差額 | – | – | 約388円 (ENEOSでんきがお得) |
基本料金はどちらも変わらないものの、従量料金の単価はENEOSでんきの方が安い結果となりました。
ENEOSでんきの場合、年間で4,600円以上の節約につながるため、少しでも固定費を抑えたい方は検討する価値があるでしょう。
二人暮らし
二人暮らし(40A、月間使用量350kWh)の場合の料金比較は次のとおりです。
電力会社/項目 | 基本料金 | 従量料金 | 合計月額料金(目安) |
---|---|---|---|
ENEOSでんき | 1,247円 | 12,915円 | 約14,162円 |
東京電力 | 1,247円 | 14,171円 | 約15,418円 |
差額 | – | – | 約1,256円 (ENEOSでんきがお得) |
二人暮らしの場合は、ENEOSでんきの方が月額で約1,256円、年間で見ると15,000円以上もお得になる計算です
一人暮らしの比較よりも差額が広がっているのは、電気使用量が350kWhと増えたことで、ENEOSでんきの割安な電力量料金単価(とくに第2、第3段階)のメリットがより大きく反映された結果と考えられます。
ファミリー
ファミリー(60A、月間使用量450kWh)の場合の料金比較は次のとおりです。
電力会社/項目 | 基本料金 | 従量料金 | 合計月額料金(目安) |
---|---|---|---|
ENEOSでんき | 1,870.5円 | 16,605円 | 約18,475円 |
東京電力 | 1,870.5円 | 18,220円 | 約20,091円 |
差額 | – | – | 約1,616円(ENEOSでんきがお得) |
ファミリーの場合も、月額で約1,616円、年間では約19,400円もの差額となり、ENEOSでんきの方がお得になる計算です。
ENEOSでんきは、電気の使用量が多い層に向けた料金単価(とくに第3段階)を東京電力よりも大幅に安く設定しているため、使用量が増えれば増えるほど、両社の料金差がより顕著に現れる傾向にあります。
年間約2万円近い固定費削減は、家計負担の大幅軽減となるでしょう。
人気の新電力会社との比較
次に、ENEOSでんきと人気の新電力会社を比較してみましょう。新電力会社は料金体系や特典が多様で、ライフスタイルにより最適な選択が変わります。
項目 | ENEOSでんき(東京Vプラン) | Looopでんき(従量電灯) | 楽天でんき(プランS) |
---|---|---|---|
基本料金 | アンペア数に応じて設定 | なし※ | なし |
電力量料金 | 3段階料金(変動) | 30分ごとに変動 | 36.85円/kWh |
特徴 | ・ガソリン割引 ・Vポイント還元 ・「にねんとく2割」特典 | ・シンプルな料金体系 ・解約金なし | ・楽天ポイント還元 ・楽天経済圏との相性良好 |
電気使用量が少ない一人暮らしや二人暮らしでは、基本料金がないLooopでんきや楽天でんきの方が有利になることが多いです。
一方、電気使用量が多いファミリー世帯では、ENEOSでんきの「にねんとく2割」特典を活用すると、Looopでんきよりもお得になるケースもあります。
とくに月間使用量が400kWh以上の家庭では、ENEOSでんきの方が総合的に安くなることが多いです。
また、車をよく利用する方はENEOSでんきのガソリン割引(最大1リットルあたり2円引き)が大きなメリットになるでしょう。
ENEOSでんきはガソリンが割引される独自の強みがありますが、純粋な電気料金の安さのみを追求する場合、ほかの新電力会社の方が魅力的な選択肢となる可能性も十分に考えられます。
複数の電力会社のWebサイトで料金シミュレーションをおこない、比較してみましょう。
簡単!電気代シミュレーションを試そう
自身の家庭にとってENEOSでんきがお得かどうかを正確に知るためには、個別の料金シミュレーションが不可欠です。
多くの電力会社の公式サイトでは、現在の電気料金プランや月々の電気使用量を入力するのみで、切り替えた場合の電気代の目安を簡単に計算できるシミュレーションツールが用意されています。
ENEOSでんきの公式サイトでも「料金シミュレーション」機能があり、郵便番号と現在の電気使用量を入力するのみで、大体の料金を確認できます。
検針票(電気ご使用量のお知らせ)を手元に用意して、ここ数か月分の電気使用量を入力してみましょう。
シミュレーション結果を見れば、ENEOSでんきに切り替えることで年間どのくらい電気代が変わるのか、具体的な金額が把握できます。
料金を比較する際には、ぜひ電気代シミュレーションを活用してください。
【比較してわかった】ENEOSでんきはこんな方におすすめ

これまでの料金比較やメリット・デメリットを踏まえて、ENEOSでんきがどのような方に適しているのか、また、どのような方に向いていないのかを解説します。
自身の状況と照らしあわせて、ENEOSでんきがあっているかどうかを判断してください。
ENEOSでんきがおすすめな方の特徴
次の特徴に当てはまる方は、ENEOSでんきを契約するとメリットを感じやすいでしょう。
- ENEOSのガソリンスタンドを頻繁に使う方(車やバイクをよく使う方)
- 電気の使用量が多い家庭(ファミリー世帯など)
- Vポイントや提携クレジットカードのポイント・マイルを貯めたい方
- 引っ越しの予定がなく、長期的に同じ電力会社を使いたい方
- 運営会社の信頼性や安心感を重視する方
ガソリン代・灯油代の割引特典を最大限に活用できるため、毎月の給油量が多い方ほど、お得に感じやすいでしょう。
また、電気の使用量が多い場合は、電力量料金の単価設定や割引(にねんとく2割など)の恩恵を受けやすく、他の電力会社と比較して料金が安くなる可能性があります。
電気料金の支払いで効率よくポイントを貯めたいと考えている方にも魅力的です。指定の提携カードを利用すると、さらにお得になる場合があります。
他にも「にねんとく2割」のような長期契約割引の利用により、月々の電気代を抑えられます。解約金のデメリットを許容可能であれば、検討の価値があるといえるでしょう。
また、大手エネルギー企業であるENEOSグループが運営している点は、サービスの継続性やサポート面での安心感につながります。
ENEOSでんきをおすすめできない方の特徴
次のような特徴を持つ方には、ENEOSでんきはあまりおすすめできません。
- 電気の使用量が少ない方(一人暮らしなど)
- オール電化住宅にお住まいの方
- ガソリンや灯油をあまり使わない方
- 契約期間の縛りや解約金を避けたい方
- 電気料金の安さのみをとにかく追求したい方
月々の電気使用量が少ない場合、料金的なメリットが出にくく、場合により他の電力会社よりも割高になる可能性があります。
オール電化向けの専用プランもないため、オール電化を使用している方は、オール電化プランを提供している他の電力会社を選びましょう。
ENEOSでんきの大きなメリットである、燃料油割引の恩恵を受けられない方にも魅力が少ないです。
「にねんとく2割」を利用しない場合、料金的なメリットが小さくなる可能性もあります。
基本料金無料プランや、独自の割引を提供している他の新電力会社の方が、トータルの電気代が安くなる場合がある点にも注意が必要です。
今すぐできる!電気代節約の3ステップ

電気代を節約するためには、まず現状を把握し、日々の行動を見直しつつ、根本的な契約内容を確認する段階的なアプローチが効果的です。
ここでは、誰でも今日からはじめられる電気代節約の3つのステップを紹介します。
STEP1:現在の電気使用状況を把握する
電気代節約の第一歩は、自身の家で毎月どれくらいの電気を、何にどれだけ使っているのかを知ることです。
現状が分からなければ、何を改善すればよいのか判断できません。
まずは、電力会社から毎月届く「検針票(電気ご使用量のお知らせ)」や、電力会社のWebサイトにあるマイページを確認してみましょう。
検針票には、月々の電気使用量(kWh キロワットアワーで表示)や、請求金額の内訳(基本料金、電力量料金、燃料費調整額など)が記載されています。
とくに注目したいのは「電気使用量(kWh)」です。
季節により変動はありますが、毎月どれくらいの量を使っているのかを把握すると、家電の使い方を見直したり、料金プランを比較したりする際の基準になります。
過去1年分ほどのデータを見てみると、自宅の電気使用の傾向がつかめるでしょう。
STEP2:家電の使い方を見直す
次に、日々の電気の使い方、消費電力の大きい家電の使い方を見直します。
小さな工夫の積み重ねが、月々の電気代に大きな差を生むでしょう。
たとえば、次のような点を見直すのみでも節約効果が期待できます。
家電 | 対策 |
---|---|
エアコン | ・室温が夏は28℃、冬は20℃となるようエアコンの設定温度を調整 ・フィルターをこまめに掃除 ・サーキュレーターを併用 |
冷蔵庫 | ・適切温度設定(冬は弱など) ・ドアの開閉時間/回数減 ・詰めすぎに注意(冷凍庫は適度に) |
照明 | ・使わない部屋は消灯 ・LED照明への交換検討 |
待機電力 | ・主電源オフ(コンセントを抜く) ・節電タップ利用 |
これらはすぐにはじめられることばかりです。無理のない範囲で、普段の生活に取り入れてみてください。
STEP3:自身に合った電力会社を選ぶ
日々の節約努力とあわせて、契約している電力会社や料金プランそのものを見直すことも、電気代節約の重要なポイントです。
2016年の電力自由化以降、多くの会社がさまざまな料金プランを提供しています。
自身のライフスタイルに合ったものを選ぶことで、電気代を大きく節約できる可能性があります。
電力会社を選ぶ際は、まず自身の電気の使い方(昼間によく使うか、夜間か、使用量は多いか少ないかなど)を考慮しましょう。
その上で、各社の料金体系(基本料金の有無、電力量料金単価)や割引・特典(ガスとのセット割、ポイント還元など)を比較検討します。
多くの電力会社のWebサイトには料金シミュレーション機能があるため、検針票のデータをもとに、どのくらい電気代が変わるか試算してみてください。
また、最近では従来の固定的な料金プランのみでなく、電気の市場価格に連動して料金が変わる「市場価格連動型プラン」を提供している電力会社もあります。
電気の使用時間帯をコントロールできる方や、価格変動のリスクを許容できる方は、「市場電力」などの市場価格連動型プランも検討してみるとよいでしょう。
市場価格が安定している時期には、固定料金プランよりも大幅に安くなることもあります。
ENEOSでんきの乗り換え先には「市場電力」がおすすめ
ENEOSでんきの料金高騰に不満を感じている方や、より柔軟な電気料金プランを求めている方には「市場電力」がおすすめです。
従来の固定的な料金プランとは異なる特徴があり、電気の使い方により大きな節約につながる可能性があります。
メリット1:市場価格連動で安くなる可能性がある
市場電力の最大の特徴は、電気の料金が日本卸電力取引所(JEPX)の価格に連動して変動する点です。
これは、野菜の値段が市場の状況で変わるのと似ています。電力の需要が少ない時間帯(たとえば深夜や早朝)や、太陽光発電など再生可能エネルギーの発電量が多い時間帯には、市場価格が安くなる傾向があります。
そのため、電気を使う時間帯を工夫できる家庭であれば、市場価格が安いタイミングを狙って電気を使うことで、従来の固定料金プランよりも月々の電気代を安く抑えられるでしょう。
たとえば、タイマー機能などを活用して、電気料金が安い夜間に洗濯乾燥機や食洗機を動かすといった工夫が有効です。
メリット2:サービス料が安い
市場電力の料金構成は、非常にシンプルで透明性が高い点もメリットです。
電気料金は、主に「市場から調達する電気の価格」に、「サービス料」「送配電網の利用料(託送費)」「再生可能エネルギー発電促進賦課金」を加えたものになります。
この「サービス料」が比較的安価に設定されているため、市場価格が安定している時期には、トータルの電気代を抑えやすくなります。
複雑な割引条件などがなく、料金の内訳が分かりやすい点も魅力といえるでしょう。
メリット3:契約期間の縛りなし
多くの電力会社では、2年契約などの契約期間が設けられており、期間内に解約すると違約金が発生する可能性があります。
たとえば、ENEOSでんきの「にねんとく2割」特典を利用する場合、2年間の継続利用が条件となり、契約期間中に解約すると1,100円(税込)の違約金が発生します。
しかし、市場電力には、契約期間の縛りがありません。
そのため、「市場価格連動型プランを使ってみたい」と考えている方でも、気軽に契約できます。
引っ越しの予定がある方や、常に自分にとって最適な電力プランを探し続けたい方には、市場電力の自由度の高さは大きなメリットといえるでしょう。
注意点:市場価格の変動リスクも理解しよう
市場価格連動型プランにはメリットがある一方で、注意点もあります。最も重要なのは、市場価格の変動リスクです。
たとえば、猛暑や厳冬による電力需要の急増や、燃料価格の世界的な高騰、発電所のトラブルなどが発生した場合、市場価格が一時的に大きく跳ね上がることがあります。
そうなると、その月の電気代が予想以上に高額になる可能性も否定できません。
市場価格連動型プランを選ぶ際は、こうした価格変動リスクがあることを十分に理解し、自身のライフスタイルや家計のリスク許容度を踏まえて検討しましょう。
市場価格の変動リスクを理解した上で、電気の使い方を工夫すれば、ENEOSでんきなどの固定料金プランよりも大幅に電気代を節約できるかもしれません。
電気の使用時間帯をある程度コントロールできる方や、価格変動に柔軟に対応できる方には、市場電力は魅力的な選択肢となるでしょう。
ENEOSでんきの申し込みと解約方法を解説!

ENEOSでんきへの新規申し込みや、現在利用している方で解約を検討している場合の手続きについて解説します。
申し込みや解約方法の基本的な流れを知っておけばスムーズに進められるため、確認しておきましょう。
ENEOSでんきの申し込み方法と流れ
ENEOSでんきへの申し込みは、主に公式Webサイトから簡単にできます。
手続きをはじめる前に、現在契約している電力会社の検針票(電気ご使用量のお知らせ)と、支払い方法に設定するクレジットカード情報または銀行口座情報を用意しておくとスムーズです。
申し込みの大まかな流れは次のとおりです。
- ENEOSでんきの公式サイトへアクセス
- 料金プランの選択とシミュレーション
- 必要事項の入力
- 申し込み内容の確認と完了
まずは公式サイトを開き、申し込みページに進みます。
次に提供されている料金プランの中から、自身のエリアや使い方に合ったプランを選びます。多くの場合、事前に料金をシミュレーションできます。
検針票に記載されている「供給地点特定番号」や契約者情報、支払い情報などを画面の指示に従って入力します。
入力内容に間違いがないかを確認したら、申し込みを完了させます。申し込み後、通常は数週間から1〜2か月程度でENEOSでんきの電気に切り替わります。
切り替えにあたって、自宅にスマートメーターが設置されていない場合は、地域の電力会社によりスマートメーターへの交換工事が行われることがありますが、原則として立ち会いや費用の負担は不要です。
切り替えが完了すると、ENEOSでんきから利用開始のお知らせが届きます。
ENEOSでんきの解約方法と注意点
ENEOSでんきの解約は、理由により手続きが異なります。
- 他の電力会社へ乗り換える場合
- 引越しに伴って解約する場合
乗り換えの場合は、基本的にENEOSでんきへ直接解約の連絡をする必要はありません。
新しく契約する電力会社へ申し込みすると、その会社がENEOSでんきとの解約手続きを代行します。二重に手続きしないように注意しましょう。
引越し先でENEOSでんきを継続利用しない場合は、引越し日が決まったら、早めにENEOSでんきのカスタマーセンターへ電話などで連絡し、解約手続きをおこなってください。
Webサイトからも手続きできる場合があります。連絡が遅れると、引越し後も旧住所の電気料金が請求されてしまう可能性があるため、余裕をもって手続きしましょう。
解約する際に最も注意したい点が解約金(違約金)です。
前述した「にねんとく2割」などの長期契約割引プランに加入している場合、契約期間の途中で解約すると解約金が発生する可能性があります。
契約更新月以外での解約には注意が必要です。自身の契約内容を確認し、解約金が発生するかどうか、発生する場合はいくらかかるのか事前に把握しておきましょう。
解約手続きが完了すると、最後の検針日までの電気料金が日割り計算され、請求書が届きます。
ENEOSでんきはやばい?よくある質問を紹介

ここでは、ENEOSでんきに関するよくある質問とその回答を詳しく解説します。契約を検討している方も、すでに利用中の方も、参考にしてください。
今後も値上げする可能性はある?
ENEOSでんきが今後も値上げする可能性は十分にあります。
燃料費調整額は市場の価格変動を反映するため、燃料価格が高騰すれば電気代も上がるでしょう。
料金動向の正確な予測は困難ですが、社会情勢やエネルギー価格のニュースなどをチェックしておくと、参考になります。
解約金・違約金はいくらかかる?
ENEOSでんきの解約金(違約金)の有無や金額は、契約している料金プランにより異なります。
「にねんとく2割(とくとく割)」などの長期契約割引プランの場合は、契約期間(通常2年間)の途中で解約すると、解約金が発生する可能性があります。
具体的な金額は契約時期により異なる場合がありますが、1,100円(税込)程度が目安です。契約更新月(契約満了後の特定の期間)に解約すれば、解約金はかかりません。
通常の標準プラン(特典なしのプラン)を契約している場合、基本的に解約金は発生しません。いつでも自由に解約できます。
ENEOSでんきは新規受付を停止している?
ENEOSでんきでは、過去に社会情勢の変化などを受けて、一部の料金プランで新規申し込みの受付を一時的に停止していた時期がありました。
現在(2025年4月時点)は基本的に全国の多くのエリアで新規受付をおこなっています。
新規受付の最新状況を確認するためには、ENEOSでんきの公式サイトで郵便番号を入力して確認するか、カスタマーセンターに直接問い合わせてください。
東京電力へ戻す方法は?
ENEOSでんきから東京電力(または他の大手電力会社)に戻したい場合は、次の手順でおこないます。
- 東京電力に申し込む
- 必要事項を入力する
- 申し込み完了を待つ
申し込みが完了すれば、東京電力側でENEOSでんきからの切り替え手続き(ENEOSでんきの解約手続き)を代行します。
支払い方法と問い合わせ先は?
ENEOSでんきの電気料金の支払い方法は、主にクレジットカード払いと口座振替の2種類から選べます。
ENEOSカードを使用すると、ガソリン・灯油・軽油が1リットルあたり最大2円割引になるため、車をよく利用する方にはおすすめです。
利用できるクレジットカード会社(VISA、Mastercard、JCBなど)や、引き落とし可能な金融機関については、申し込み時に確認できます。
契約内容の確認や各種手続き、疑問点などについては、ENEOSでんきのカスタマーセンターへ問い合わせてみてください。
問い合わせ番号:0570-01-8704
まとめ:ENEOSでんきは賢く使えばお得!合わない方は乗り換えも検討しよう

ENEOSでんきは一概に「やばい」というわけではなく、利用する方の状況により評価が大きく分かれる電力会社です。
ENEOSのガソリンスタンドをよく利用する方や電気の使用量が多い家庭、特定のポイントを貯めたい方は、ガソリン代割引やポイント還元、長期契約割引などのメリットを活かすことで、お得に利用できる可能性があります。
一方で、電気の使用量が少ない方、オール電化住宅に住んでいる方、契約期間の縛りを避けたい方は、料金的なメリットを感じにくかったり、そもそもプランが適合しなかったりするかもしれません。
過去の料金値上げや燃料費調整額の上限撤廃により、「以前より高くなった」と感じる方もいるでしょう。
ENEOSでんきが自身の使い方に合わないと感じた場合は、他社への乗り換えを検討してみてください。
「市場電力」のような市場価格連動型プランは、電気の使用時間帯をコントロールできる方には大きな節約につながる可能性があります。
ぜひ、記事の情報を参考にして自身の家庭に最適な電力会社を選び、賢く電気代を節約しましょう。
<参考>
ENEOSでんき